前半も長かったですが、後半も長いです。
「ロスト・シンボル」あらすじ。ネタバレ有。ラングドンシリーズ第3弾!フリーメイソンの謎(前編)
しかし!!そんなの気にならないくらいあっという間に読み終えます。
面白いからね!!!
ざっくりあらすじ(ネタバレ有)
ラングドンとキャサリンの新たな助っ人
CIAをまくために一人捕まったベラミー。
彼が連絡を付けてくれた信頼のおける人と連絡が取れたラングドンとキャサリンは、その人の待つ場所へと向かう。
途中で乗ったタクシーでのCIAとの追いかけっこはいつ捕まるのかハラハラして読むのを止められませんでした。
ばれてる!!ばれてるよ!ラングドン!!
ワシントン国立大聖堂に到着した二人を迎えたのは盲目の老人、コリン・ギャロウェイ師、大聖堂首席司祭だった。
ピラミッドの暗号も解けずに行き詰っているラングドンに、コリンは「ピラミッドは実在の場所を示す地図」だと言い張る。
ピーターの切断された右手にはめていた指輪を調べるようにコリンが言うと、そこには「すべては第三十三位階で明らかにされる」と告示されていた。
そしてそこにあった小さな丸いくぼみを、同じくコリン師に言われて気づいたピラミッドの冠石が封印されていた箱のくぼみに合わせるとぴったりはまった。
そして指輪を三十三度右へ回した。
立方体だった箱は、目の前で唐突に姿を変えた。
十字架と化した。
中心にはくぼみ、丸中黒(サーカムパンクト)があり、それは薔薇十字を示す。
薔薇十字はフリーメイソンでよく使われている象徴であり、初期の薔薇十字団に敬意を表している。
薔薇十字団:古代神秘結社薔薇十字会は、古の神秘の伝説に匹敵するほどの謎深い歴史を持ち、科学にも大きな影響を与えてきた。
会員:ベーコン、フラッド、デカルト、パスカル、スピノザ、ニュートン、ライプニッツなど。
コリン師との会話から、暗号が指し示す人物がアイザック・ニュートンだと解明すると、次にどうすればいいのか分かったとキャサリンがラングドンを連れていく。
2人は大聖堂にまで迫ってきたCIAから逃れ隣の大聖堂付属学校に忍び込む。
そしてキャサリンは、食堂のキッチンでお湯を沸かし始める。
「33度にしたお湯に入れる!」
しかも33度とは、ニュートン度というアイザック・ニュートンが考案した温度計測法だった。
それは、氷の融ける温度が基点で零度、水が沸騰する温度を33度とした。
神秘主義者にとって33より美しい数字はないらしい。
沸騰したお湯に入れると、ピラミッドの冠石に光る文字が浮き出てきた。
「Eight Franklin Square」(フランクリン街区八番地)
ピーターは生きている?!
ラングドンはピーターを救うべくマラークに電話をかける。
しかし出たのはマラークではなく、警備会社の女性だった。
通報があったのでカロラマ・ハイツに向かうと、監禁された男性が見つかり、ラングドンとキャサリンという名前を読んでいる。すると机の上の携帯が鳴って出たのだという。
すぐに向かおうとした二人のもとへサトウが現れる。
2人のせいで犯人を捕まえる機会を逃している!と激怒するサトウ。
サトウ曰く、その犯人はピーター個人の問題ではなく国家的な危機に影響を持っているらしい。
ラングドンとキャサリンはピーターが監禁されていた家へと向かう。
カロラマ・ハイツ
CIAの隊員と3人で向かった二人。
ついにピーターに会える!と喜び勇んで部屋に入ると、そこには殺された女性警備員の姿があった。
CIA隊員もすぐに殺された。
現れたのはマラークだった。
キャサリンとラングドンは捉えられてしまった。
キャサリンは縛られ、ラングドンは棺桶のような箱に入れられた。
そこには少しずつ液体が流入していた。
パニックになるラングドンに、マラークはピラミッドの底に現れた混沌の極み、不可解な象徴群を見せる。
それは、格子状に区切られた正方形の中に(8×8)、あらゆる伝統に基づく象徴が刻まれていた。
錬金術、占星術、天使、魔術、数学、ギリシャ文字、ラテン文字。
迫りくる液体にパニックになりながらも、考え続けついに解読法を見つける。
すぐ教えろというマラークに、フリーメイソンのピラミッドの解読法を明かした。
ラングドンは液中に沈んだ。
フリーメイソンのピラミッドの解読法
解読の鍵は、ベンジャミン・フランクリン。
アメリカ建国の父であり、科学者、神秘主義者、数学者、発明家でもある人物が発表した、フランクリンの八方陣だった。
それは、歴史上もっともよく知られる魔法陣の一つで、折れ曲がった斜めの列の加算を含むことで有名になった八方陣である。
自分の行くべき場所が分かったマラークは、衰弱したピーターを車いすに乗せて連れていく。
キャサリンの腕に針を刺した。
その先はチューブにはつながっておらず、血が流れ続けた。
意識を失っていたキャサリンのもとに、CIAのサトウらが到着する。
ラングドンも死んでいなかった。
彼が入れられたのは、感覚遮断タンクといい、浮遊と呼ばれる現実離れした胎内回帰体験を可能にする装置で、すべての感覚入力を除去することで脳の活動を抑え、ある種の瞑想状態を作り出す。
含酸素過フッ素化炭化水素液が開発されてから、完全液体呼吸が可能になった。
常人の理解を超えており、その存在を信じる者は少ない。
知らずにこれに入れられてしまうと、極度の心的外傷や苦痛をもたらし、対象者は混乱の極みに陥り、自分の生死さえも分からなくなりどんなことでも自白し始める。
ピーターもこれで衰弱し自白を繰り返していた。
救出されたラングドンはやがてピラミッドの暗号を再解読し、行くべき場所を解明する。
それは、ピーターがマスターをするロッジ、ワシントンDCの最古のロッジであるポトマック・ロッジ・ナンバー5だった。
CIA、サトウが犯人を追う理由
ピーターを助け出したいと焦るラングドンに、サトウは事態がどんなに深刻化を渋々伝える。
サトウがラングドンに見せた映像は、想像を絶するものだった。
それは、何百年も秘密にされてきた、フリーメイソンの秘密の儀式の映像だった。
実際は生をより強く意識するために死を強調するものだが、格調高い部分をすべてそぎ落とし、心をかき乱す箇所だけを強調したプロパガンダとなっていた。
(殺人の真似、生贄、髑髏でワインを飲む様子など)
そしてそこに参加している人物たち。
議員に国防長官、連邦最高裁判所の判事、CIA長官・・・。
この映像が公開されたらどうなるか。
大混乱を引き起こす。
この映像は、マラークが金髪のかつらに仕込んだ小型カメラで撮影し、編集したものだった。
マラークの正体
マラークは衰弱したピーターを連れて、テンプル会堂へと到着した。
古の門を開く秘密の言葉をピーターに言わせて最後の儀式へと取り掛かる。
その前に、マラークは自分の正体を明かす。
マラークはピーターの息子、ザガリーだった。
ええええええ?!?!とは、ならず。
実はちょいちょい伏線があるので読んでる途中で気づきます。
自分たちにこんな残虐なことをしてきたのが実の息子だという事実に打ちのめされるピーター。
マラークは悪魔に仕えており、様々な儀式を終え最後に神として自分を迎えてもらうために最後の生贄を用意していた。
それは自分だった。
肉体から解き放ち、偉大なものになる。
いかに死ぬか。
それがマラークの目的だった。
ピーターに自分を殺させようとしたところで、ラングドンたちがテンプル会堂に到着。
上空から接近したヘリによって会堂の天窓が割れ、ガラスの破片がマラークに突き刺さる。
マラークは、空から祭壇に横たわる自分を見ていた。
憎んだ父が自分の頭を優しくなでている。
そして闇に飲み込まれていった。
ここの死んだ人間がそれを空中から見ている、という描写が、キャサリンの実験に繋がり鳥肌が立ちました。このことか!と。
フリーメイソンの隠されたピラミッドの真相
ラングドンは、フリーメイソンのピラミッドの謎は真実ではなく、比喩だとし、真実の言葉も門も階段も実際にはないと信じていた。
ピーターは実際にそこに連れて行くという。
その場所は、アメリカにそびえたつ偉大なエジプトのオべリスクの頂点。
ワシントン記念塔の頂だった。
螺旋階段は実在した。
伝説の「失われしことば」は螺旋階段のいちばん下に埋められている。
記念塔の長い螺旋階段を下りた先には、礎石がある。
礎石は金庫のように中に物を隠すことが出来た。
「ことば」とは、道を照らし出す。
それはキリスト教徒にとっては聖書であり、イスラム教徒にとってはコーランであり、ユダヤ教徒にとってはトーラーであり、ヒンドゥー教徒にとってはヴェーダであり、いくらでもある。
アメリカの父祖たちは、記念碑の礎石に一冊の聖書を封じ込めたのだった。
なぜ一冊の本が何千年も生き延びたのか。
なぜ一冊の本を歴史の名だたる賢者たちが研究したのか(ニュートン、ベーコン、フランクリンなど)
聖書は歴史を通じて古の神秘を受け継いできた書物のひとつ。
今の人類は忘れてしまって聖書を理解できていない。
ブッダは「誰もが仏になりうる」と言った。
イエスは「神の国は汝らのうちにあり」と言った。
ここからのキャサリンの話は鳥肌ものでした。
たまらない驚愕の事実。
聖書が伝えていたもの
キャサリンと合流したラングドン。
古代の人々は現代人よりも思考をより深く理解していた。
聖書に書いている「宮」とは人の体のことを指す。
聖書には実際に細かい記述があり、「建物は二重の構造になっていて、外側の宮と内側の聖域がある。二つは薄い膜で隔てられている」
キャサリンはそれを脳のことだという。
硬膜と軟膜。ふたつはくも膜で隔てられている。
瞑想中のヨーガ行者の脳をX線を調べると ,高い集中力状態にある人間の脳は、蠟状の物質を作り出す。
この物質は、驚異的な治癒作用を持っていて細胞を再生する。
聖書に出てくる「天から授けられたマナ」、飢えた人々に与えるために天から降ってきた魔法の物質はそのことだという。
「病を治して不死の命を与える力があり、食べても減らなかった点から降ってきた栄養物」
この脳の松果体が作り出す物質は、他の言葉となって聖書に出てくるという。
神々の酒、不死の秘薬、若返りの泉賢者の石、霊薬などなど。
いくつもの精神が一斉に働くと、思考が及ぼす力はけた違いに大きくなる。
悪用されると危険でもあるので、歴史の賢者たちは人類がそれに耐えられるだけの知性を備えるまで厳格に秘密として守ろうとした。
神は多の集まりの中に見出される、一ではなく。
そこでラングドンは気づく。
旧約聖書で使われている神を指すヘブライ語「エロヒム」は複数形である。
連邦議会議事堂の天井に描かれた「ワシントンの神格化」に記された3語のラテン語。
エ・プルリブス・ウヌム。
「多より一を生ず。」
ぴいいいいい!!!ここ!!最後で怒涛の聖書解読!!
たまりませんねぇ。。
聖書は全然詳しくないけど、マナは聞いたことありました。それが脳から出る物質だったなんて!!
聖書読んでみようかな!!
小言
「暗号解読」という点では、全5作のなかで一番盛りだくさん、THE 暗号!という感じで楽しめます。
実際に読んでみて、不可思議な象徴群を見てみてください。
わくわくします。
神は人間のうちにあった、という話も個人的に大好きでした。
聖書の読み解き方。ほんとだったらめちゃくちゃ凄いな、昔の人。(語彙力)
日本人によくある無宗教で、「神を信じる」って理解できない人間ですが、そういうことだったのか!
それなら宗教がある理由も納得できる!と拍手喝采です。
この後で、宗教を真っ向から否定するテーマの「オリジン」が来るのも興味深いです。
「オリジン」ダン・ブラウン。ダヴィンチ・コードを超える衝撃の結末。神か科学か。
また、暗号や古の神秘やらに惹かれる人にはこの本も面白いです。
ピラミッドの下には何が隠されている?!『ピラミッド封印された数列』ネタバレあらすじ
個人的には、マラークだけが不可解で。
監獄でつかまったときにお父さんに助けてもらえなかったことで絶望して?脱出した後虚無感に襲われて?肉体改造して?悟り開きそうになってフリーメイソンの謎に触れて黒魔術っぽいのにどはまりして、家族に残虐なことをして神になろうとした、みたいなのが全く理解できませんでした。
謎は面白かったけど、ただ勘違いドラ息子の暴走でたくさんの人が犠牲になった感じが受け入れがたい。。
もっと、父親がフリーメイソンであるがゆえに子供のころに苦悩を感じていたとか描写があればまだ・・・分かったのかな?
ただただ自分勝手な理由で裏切りを続けて嫌な感じでした。
でもまあ謎は面白かったので、スリルはあるしおすすめです!
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