これぞエンターテイメント。
映画を観た後のような充実感。
辻村深月さんの本は、「鍵のない夢」の後2冊目だったから、どんだけ暗い本かと思いきや、
読後感はすっきりハッピーな感じで非常に良かった。
途中はどんな怖い展開になるのかビビるくらい怪しい雰囲気はさすがです。
最後の最後でこちらを裏切ってくる作品なので、まだ読んだことがない人は、ネタバレ読まないことをおすすめします!
このハラハラドキドキ感をぜひ味わってほしい!
1回読んだけど、どんな結末だったっけ??という人はネタバレどうぞ!
ネタバレいきますよ!
ネタバレ有あらすじ
有名老舗結婚式場、ホテルアールマティで結婚式を挙げる4組のカップルと結婚式場のプランナーである山井の11月22日大安の一日。
相馬家・加賀山家
一卵性双生児で拗らせた美人姉妹が主役。
結婚する妹の妃美佳は、旦那が「姉の鞠香じゃなくて、私じゃないとダメな人」であるかを確かめるために、鞠香と入れ替わって結婚式を行うことを思いつく。
昔から気が強く明るく人気者だった鞠香にコンプレックスを持っていた妃美佳と、そんな妃美佳が大好きでだけど自分が優位に立っていたい鞠香の心情が赤裸々。
両親でさえも入れ替わりに気づいていなかったが、新郎の映一は最初から気づいており、敢えてしたいようにさせていた。
映一かっこいい!で終わる。
十倉家・大崎家
山井が担当。
何度もチーフに担当を変えて欲しいと頼むくらい苦手な大崎玲奈。
わがままばかりで謝罪や感謝の言葉が言えないクレーマー。
そして、7年前に婚約破棄をされた元彼の元カノ。
大崎のせいで結婚が破談になった。
大崎はその相手が山井だと気づいていない。
今までのプランナー人生で最も苦痛な仕事だった。
しかし、プロとして向き合う中で、大崎からの信頼を得るようになり、当日披露宴の中でサプライズで感謝の意を述べられる。
こんなこと初めてだと泣きそうになる。
いつの間にか、一番苦手な客から、今までで一番の仕事になっていた。
東家・白須家
小2の男の子の目線から語られる。
叔母のえりちゃんが結婚する。
薬剤師のえりちゃんの結婚相手は7つ下の東さん。
アルバイトだし、挨拶や一般常識的なものもなっておらず、おばあちゃんやお母さん(えりちゃんの姉)からは猛反対された末の結婚式だった。
真空は一度東が他の女と親しげに話しているのを聞いてしまったことがある。
その雰囲気を浮気だと思い、また二人がえりちゃんを殺そうとしているのではないかという疑いを持ち、結婚式が出来ないようにえりちゃんがお色直しで使う白雪姫のカチューシャを隠したりした。
結局、東は誤解されやすい性格なだけで、えりちゃんを幸せにするためにどうしたらいいか真面目に考えている青年だった。
最後はおばあちゃんやお母さんとどうすればうまく付き合えるかアドバイスしてあげる真空だった。
鈴木家・三田家
若い頃からちょっとモテるからと調子に乗っていた鈴木。
いつでも何か良くないことが起こりそうな時はストッパーが働いて助けてくれていた。
結婚式当日、ストッパーが働かなかった鈴木は、灯油をまいて結婚式が出来ないようにしようとしていた。
鈴木はすでに貴和子という運命の女と結婚していた。
嘘で若い女を捕まえていたつもりが、あれよあれよと結婚式当日まできてしまった生粋のダメ男。
なんでも人のせいする鈴木。
結局、火をつけようとしたところでホテルの調理室からの小火で放火せずに済んだが、一人の若い男に襲われそうになる。
彼は、妻の貴和子から鈴木を止めるように頼まれたストッパーだった。
妻の貴和子は鈴木が浮気をしていることも、その相手と結婚式を挙げようとしていることも知っていて見送っていた。
最後は小火騒ぎから2年後、山井が同僚の岬との結婚式を目前に控えている描写で終わる。
小言
読んでて爽快。
あっという間に読み終わります。
ドラマみたいだな〜と思っていたらやはり2012年にNHKドラマになっていました。
山井多香子 | 優香 |
岬恭介 | 鈴木亮平 |
加賀山姉妹 | 谷村美月 |
相馬映一 | 福士誠治 |
大崎玲奈 | 星野真里 |
十倉純一 | 田中直樹(ココリコ) |
白洲りえ | 霧島れいか |
東誠 | 渡部豪太 |
三田あすか | 大島麻衣 |
鈴木陸男 | 岡田義徳 |
ドラマは約10年前!ですが、豪華なキャストですね。観てみようかな。
読んですっきりハッピーになりたい方はぜひご一読ください!
辻村深月さんの本は他にもご紹介しています。
「太陽の坐る場所」(辻村深月)で描かれる人間の浅ましく醜い、けれども誰しもが持っている感情と向き合ってみる。
鍵のない夢を見る(辻村深月)
「かがみの孤城」壮大なる伏線回収のすべて。あらすじネタバレ有。オオカミ様の正体は?
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