
小学生の頃はファンタジー小説を読み漁っていました、みかんです。
久しぶりの長編ファンタジーでしたが、面白い!読みやすい!
精霊の守り人シリーズが有名ですね。
私も学生の頃に通ってきました。
上橋菜穂子先生の本を読むのはそれこそ20年ぶりくらい。
すっかり忘れていましたが、めちゃくちゃ面白い本でした。
ネタバレしかしないので、知りたくない人は読まないでくださいね!!!
どんな話?あらすじ紹介
舞台は東乎瑠帝国に支配されたアカファという地方で起きる。
謎の病、黒狼熱によってどんどん人が死んでいく。
2人の人物の視点からその謎を解き明かしていく。
ヴァン
〈独角〉の頭として東乎瑠と戦い破れ、アカファ岩塩坑で奴隷として働いていた。
飛鹿という扱うのが難しい強靭な足を持つ鹿を愛し自在に操る。
ある日、岩塩坑に野犬が襲いかかる。
普通の野犬と何か違う生き物に岩塩坑にいる人間は残らず噛み付かれ、数日後から発熱や咳などの症状に悩まされ、ヴァン以外全員が死ぬ事態となる。
噛まれてから奇妙な力(意識が身体から抜け、犬と一体化し、命令通りに動かす)を得たヴァンは鎖を引き千切り逃亡する。
その際、全滅したと思われるアカファ岩塩坑に、一人生き残っている赤ちゃん(ユナ)を発見し、一緒に連れて行く。
その後、辺境の地でアカファ人と東乎瑠からの移住民との混部族に世話になり、飛鹿の飼育方法等を教え家族のように一緒に暮らす。
ある日そこに〈谺主〉と呼ばれる人から会いに来るように言われ、ユナと一緒に向かう。
そこでユナは何者かに誘拐される。
それを追う時にモルファというアカファの網と称された、人を追うことに精通する部族の娘、サエと出会う。
サエは岩塩坑から逃亡したヴァンを追う役目を追っていたが、誘拐されたユナを見殺しにできず怪我をしたヴァンを助け、ユナを助けに向かう。
その先でホッサルと出会い、自分の身体に起こっていること、アカファ岩塩坑を襲った病の正体を知る。
ホッサル
オタワルという国を無くした民族であり、天才的な医術師。
助手のミラル、従者のマコウカンと共に、アカファ岩塩坑の事件を追う。
事件の真相
アカファ岩塩坑を襲ったのは、東乎瑠に領地を追い出された火馬の民族。
誇り高い彼らは毒麦事件(移住民が火馬の民族の土地の近くで今までいなかった羊や山羊や植物を育てることで、生態系が変わり、麦に毒素が加わってしまった。
その毒麦を食べて火馬が死んでしまったことで火馬の民族が移住民を殺害した事件)で故郷を奪われ、慣れない土地で家族である火馬が弱っていく姿に苦しみ、東乎瑠への復讐を決意する。
毒麦を食べて死んだ火馬の屍体を食べた半仔(ロチャイ:黒狼と山犬の交種)に噛まれた移住民だけが死ぬという現象が起こり始めたことに気づいた火馬の民族は、犬を利用することを考えつく。
移住民だけが死んだのは、アカファの人々は幼い頃より、特定の地衣類(きのこのようなもの)を食べてきたトナカイや飛鹿の乳を飲んでいるので免疫が付いているからだった。
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小言
この独特の世界観に、非常に魅力的なキャラクターたち、上橋先生の世界にどっぷり浸れます。
特に興味深かったのが、『免疫』について
結局、あるウイルス?菌?に対しての免疫の有無が大きなポイントになるのですが、『免疫』なんて言葉は無い世界。
しかし、様々な可能性からホッサルはその正体を突き止めます。
その表現が面白い。
また、国に翻弄される民たちの想いの描写も胸をキュッとさせます。
実はこの「鹿の王」、2021年9月10日に映画が公開されます!
こちらは一度公開が延期になり、2022年2月4日に公開となりました!
ヴァンを堤真一さん、ホッサルを竹内涼真さん、サエを杏さんが演じます。
ファンタジー超大作が映画化!声優さんも豪華なので楽しみですね。
絶対観に行きたいです。
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