おはようございます、背骨が曲がってる、みかんです。
本日は、辻村深月さんの「鍵のない夢を見る」をざっくりご紹介します。
「鏡の孤城」で有名な作家さんですが、かるーく手に取って読んでみたら。
めためた重い。
読後胸は晴れない。
読み進めながらも怖くて読みたくなくなってくる。
でも読んでしまう。
女性の暗い部分の心理描写が鋭くて、ここまで書くのか、と。
人が持っていることを隠したくなるような暗い部分をがしがし書いてる。
ありきたりな女性のありきたりな夢からの転落。
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どんな話だったっけ?一言メモ
仁志野町の泥棒
小学校の友達のお母さんは、泥棒中毒だった。
家に遊びに来ていた友達が、何かを盗んでいる姿を目撃してしまった女の子。
その盗んだ子の家族に関して回りの大人たちが色々言っているが、どう付き合っていけばいいのか子供なりに考える。
突然いなくなった友達だったが、数年後再会する。
石蕗南地区の放火
私のせいで放火したんじゃないの?
打算で結婚相手を捕まえた平凡を絵にかいたような女性。
家族からも求められるのは、「平均的な幸せ」だった。
いつの間にか、「本当は自分はこんなものじゃないのに」という思いが大きくなっていた。
ある火事をきっかけに、女性の心情が丸裸にされる。
美弥谷団地の逃亡者
DV男に連れ去られてわけわからなくなった。
DVの彼氏から連れ去られてしまった女の子。
家では守ってくれていた母親が刺されてしまい正気を失っていた。
芹葉大学の夢と殺人
現実見えてない美しい元カレに執着するのがやめられない女
君本家の誘拐
育児に疲れた自分の体裁を守ろうとする母。
育児に疲れていた。
娘をベビーカーでショッピングモールに連れて行って店を回っていると、気づけば娘がいなくなっていた。
誘拐された!
焦った女は警備員などと探して回るがどこにもいない。
旦那に連絡しようとするも、携帯も忘れていたので家に取りに帰ることに。
家に戻ると、家のドアの前にベビーカーに乗った娘がいた。
ショッピングモールに娘は連れて行っていなかった。
家の前に忘れて一人で行っていた。
小言
短編だからさくさくっとと思って読んだら重たすぎてどしーんときました。
凄い。
こんなに心情を赤裸々に描く作品は初めてです。
人には言えない自分の暗い部分を曝け出されたような気持ちになり動悸がしました(笑)
すっきりはしないけれど、読み応えは保証します。
辻村深月さんの本を他にも紹介していますので、興味のある方はぜひ。
「太陽の坐る場所」(辻村深月)で描かれる人間の浅ましく醜い、けれども誰しもが持っている感情と向き合ってみる。
「本日は大安なり」(辻村深月)あらすじ紹介、ネタバレ有。不穏な空気が漂う結婚式会場。何かが起きる?
こちらは辻村深月さんの本だと構えていくと、すっきりする結末で、安心して読めます。
「かがみの孤城」壮大なる伏線回収のすべて。あらすじネタバレ有。オオカミ様の正体は?
他にも読んだ本を紹介しています↓
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