こんにちは、一気に冬の気配が満ちてきましたね、寒いの無理みかんです。
早速こたつを出しました。
あったかぬくぬく。これで4時起きでも寒くない。
本日は久しぶりの百舌シリーズです。
保育士試験があったので読書する余裕がありませんでしたが、終わって現在読書に夢中。
百舌シリーズやっぱり面白すぎる!!
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「墓標なき街」
ざっくりあらすじ(ネタバレなし)
事件①
大杉、美希と旧知の仲の記者、残間のもとへもたらされる百舌事件の再度の記事化。
それを依頼してきたのは元東都ヘラルド新聞社で社会部長を務めた残間の元上司の田丸だった。
田丸は民政党の幹事長だった馬渡の陰のブレーンの一人だった。
馬渡が津城特別監察官に撃たれて死ぬと、田丸は後ろ盾を失い退社、現在は右翼色の強い〈ザ・マン〉の編集長となった。
津城監察官や大杉たちが集めた馬渡の陰謀を明らかにするテープなどは行方不明になっていたが、その中のひとつ、以前残間が書いた百舌事件に関する記事のフロッピーディスクを何故か持っているという。
百舌事件に関するまた別の証拠を田丸から預かる予定だった日、田丸は何者かに殺害される。
首の盆に千枚通しを突き立てられ、その現場には百舌の羽が落ちていた。
事件②
それを同じくして、残間は石島という鉄鋼関係の会社に勤める男から、武器を輸出している会社があるという情報を得て追っていた。
日本には武器輸出三原則があり、技術供与も含めて共産圏や他国と紛争中の国には武器を輸出しないことになっている。
武器になりうる部品についても、経産省等の許可が必要だが、それを得ずにいくつもの会社を経由して海外に輸出している会社があるらしい。
日本の武器兵器メーカーも三原則の撤廃を求めるなどロビー活動をしているところだという。
残間はこの情報を提供してきた石島の尾行および調査を大杉に依頼する。
大杉が尾行している石島を、警察官になった大杉の娘、東坊めぐみも追っていた。
石島は武器輸出の情報を残間だけではなく、鉄鋼業界誌編集長の為永という男にもしていたようだが、その為永が殺害される。
首の盆に千枚通し、百舌の羽根という状況だった。
事件③
そしてその日、また別の場所で同じように百舌と思われるものに殺されていた人物がもう一人。
民政党の重鎮、亡き馬渡の後釜に座っている三重島の別邸を警護する民間警備会社の責任者、大角大介だった。
大角は、三重島の別邸に匿われている全身黒ずくめの車いすの男の正体を、亡くなったはずの紋屋貴彦だと思いそれを暴きにかかる。
この黒ずくめの男は常時車いすで移動し、声も機械的で不気味な存在だった。
三重島の別邸には管理するまほろという女性とお手伝いさんのタキと呼ばれる女性がいた。
この民間警備会社、首都警備保障には、亡くなった津城特別監察官や美希の元上司である稲垣志郎が天下りしていた。
死んだ大角はこの稲垣の右腕だとされている男だった。
稲垣は、津城と馬渡が死んだ鷲ノ島事件で百舌の正体だった紋屋貴彦の死体が消えた責任などを取り警察を辞め首都警備保障の役員になっていた。
この大角が殺されたことで、美希は久しぶりに稲垣と相対することになる。
事件の真相(ネタバレあり)
事件①田丸殺し
田丸は何者かの指示で百舌事件を再び表舞台に出そうとしていた。
田丸は残間に会う前に百舌事件の参考になるテープ?を取りに行って殺された。
田丸が殺害された現場近くには、政治家茂田井の屋敷があった。
田丸は政治に返り咲きたい茂田井の指示で三重島幹事長にまつわる極秘のリポートを掲載しようとしていたのだった。
事件②為永殺し
為永は、石島から不正武器輸出に関する密会をしたあと、車田というめぐみの上司に直接電話をしてきた。 元々知り合いで、めぐみたちが石島を張っているのも為永からの情報がもとだった。
為永は車田に不正武器輸出を立証する具体的証拠とその裏工作に関わっている陰の重要人物と引き合わせてやるから編集部に来いと言ってきた。
その後為永は殺害されるが、その直前に為永が電話していたのが、メイコウ商事(鉄鋼関係の商社)の輸出管理室長、坂東重行という男だった。
このメイコウ商事は石島が勤めている三京鋼材の取引先の一つであった。
坂東の通話記録を調べたところ、坂東は経済産業省の機械製造産業局長北本則雄という男に電話をしていた。そしてこの北本は、坂東からの電話を受けた後で、首都警備保障の稲垣専務に電話をしていた。
その稲垣の電話先をたどると、〈オフィスまほろ〉という法人に到達した。
それは三重島の別邸を管理している法人だった。
事件③大角殺し
三重島の別邸を警護している大角が殺害された。
その別邸を管理しているのが、のすり事件の中心人物だった洲走かりほの妹、洲走まほろだという。
民政党幹事長の三重島に裏切られた形で亡くなったかりほとその妹まほろ。
決戦
美希は、三重島の別邸を訪ねる。
田丸事件の指揮を執っている岸和田管理官。
大角事件の担当をしている井口管理官。
為永事件の捜査に加わった原田管理官。
この3人とともにまほろ、稲垣専務と対峙する。
まほろは〈オフィスまほろ〉の代表者弓削まほろとして向かい合う。
一方大杉は美希が関係者を事情聴取のため集めている間、車田警部補、磯部警部補とともに三重島別邸に潜入していた。
母屋に繋がる怪しい部屋を見つけた大杉は車田と二人で部屋を調べる。
すると黒いガウンがかけられた車いすを発見する。その時御室という大角の後継者に潜入がばれてしまう。
そのうえ車いすが動き出し、「久しぶりだね、大杉さん」と金属的な声が話しかけてくる。
一瞬紋屋が頭に浮かび戦慄するが今は御室という男の対処が先決だった。
電気が消されて暗闇の中戦いが幕を開ける。
御室は格闘技の覚えがあるようで車田と大杉二人の息の根を止めようとしていた。
そのときまほろが退出して様子を見に来た美希がその部屋を見つける。
急に電気が付いたその部屋には、電気をつけたであろうまほろと、床に倒れている大杉と御室の姿があった。
御室の首には千枚通しが刺さっていた。
大杉が生きていることにほっとしたのも束の間、車いすに目を移して絶句する。
そこにはミイラ化した人間の姿があった。
事件のつながり
ミイラは紋屋貴彦のものであることがDNA鑑定から判明した。
当時特別監察官室長だった稲垣は、父親が有名なエジプト学者で稲垣自身も大学で考古学をやっていたらしく稲垣が関係していることは明白に思われた。
この車いすのミイラについては稲垣もまほろも全く知らなかったと言い張っていた。
このミイラに関しては、三重島と稲垣がすでに死んでいる紋屋に罪を押し付けるために生きているように見せかけるために用意したものではないか、という結論だった。
驚愕のエピローグ
最後にどんでん返しが待っています。
エピローグが犯人の語りで始まるのですが、そこで真相が明らかにされます。
弓削まほろは偽名であり、本当は〈弓削ひかる〉
三重島の隠し子だった。
そしてまほろは私の名前。三重島は隠し子の存在をカムフラージュするために、弓削まほろを名前を変えて愛人のように装わせて、本当の愛人である私を使用人に仕立ててしまった。
山口タキ。
それが今回の百舌の正体だった。
タキことまほろは、姉のかりほを利用するだけ利用して見捨てた警察が許せず、その陰にいた民政党の三重島、稲垣も機が熟せば葬り去るつもりのようだった。
かりほもまほろも子供のころから小動物の息の根を止めることに異常な喜びを見出していた。
延髄に刃物を突き立てるのが病みつきになっていた。
小言
ひいいいいいいい!!!!!!
タキさん、お前かーーーー!!!!
このエピローグは読んでてゾクゾクしました。
百舌双子シンガイを思い出しますね。
子供のころから小動物を殺していた?延髄刺したら即死するのが快感?
そんな人がシンガイの他にもいるの?怖いんだけど?
もしシンガイ兄弟が生きていて、この癖の強すぎる姉妹と対決していたらどんなことになっていたのだろうと夢見てしまいます。
強烈すぎるよ、かりほとまほろ。。
百舌シリーズもいよいよ次で完結です。
次の「百舌落とし」は、この事件の続きのような形になっています。
またまほろもタキも出てきます!最後までわくわくが止まりませんね!
事件が複雑すぎてちょっと経つと忘れちゃうのが辛いところ!笑
百舌シリーズもついに完結!こちらです↓
遂に完結!百舌シリーズ最終巻「百舌落とし」あらすじ(ネタバレ有)
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