本日は、中国史上最高傑作と名高いSF小説『三体』の第二部のご紹介です!
ふるさと納税が続々届いて幸せ、みかんです。
専業主婦はやっても意味ないんですけどね。所得がないので。
これは初めて知った時衝撃でしたね。
悲しい…。
旦那の枠を目一杯使ってやりました。
第一部はこちら↓
「三体」第一部のあらすじ紹介!(※ネタバレあります)【前評判ほどではなかった?!】中国SF小説の金字塔はどんな話?
|
「三体」二部 ざっくりあらすじ
三体危機に備えるために、国連は惑星防衛理事会(PDC)を設立。
地球防衛計画を推進するが、人類のあらゆる活動は智子(原子よりも小さいスーパーコンピューター)によって監視され、全てが筒抜けになっている。
また、科学の基礎研究も妨害されている。
この状況を打破するため、面壁計画が実施される。
その切り札として選ばれた4人の面壁者は全てのものを欺き、自分の頭の中だけで作戦を練る。
智子に真意を知られないためだった。
その面壁計画の1人になぜか選ばれたのが、天文学者から社会学者になった羅輯だった。
海軍の呉岳と章北海は急遽謎の会議に呼び出される。
そこには陸・海・空軍の将校30名が集められていた。
指揮を取るのは常偉思少将だった。
それは宇宙軍設立のメンバーだった。
450年後の敵襲来に備えた宇宙軍建設の第一歩であった。
羅輯と章北海による、時を超える対三体人計画が動き始める。
ネタバレ感想・二部の結末は??
二部『暗黒森林』を読んだ感想を率直に。
ん?これで解決?
なんか長々と色々やってた割にあっさり終わってしまった感じです。
拍子抜けといいますか。
まだ三部が残っているので、むしろこれから何を書くの?と疑問です。
早く三部を読まねば。。
では、二部のネタバレまいります!
人物の行動からみていきたいと思います。
面壁者
智子からの監視を逃れられない人類の最後の希望を託されたのが4人の面壁者。
彼らは1人で三体人から地球を守る方法を考える。
そのために非常に多くの権限と資源(人的・金銭的)を与えられる。
4人の面壁者
- フレデリック・タイラー:元米国国防長官
- マニュエル・レイ・ディアス:前ベネズエラ大統領
- ビル・ハインズ:科学者、元欧州委員会委員長
- 羅輯:元天文学者、社会学の大学教授
それぞれの面壁人には破壁人という、計画を調べ暴く人物を地球三体協会(ETO)が遣わせた。
フレデリック・タイラー
メガトン級のスーパーボム一基を搭載した小さくてすばしこい宇宙戦闘機の編隊(蚊群編隊)を用いて、三体艦隊に特攻させる。(”特攻”このためにタイラーは鹿児島の知覧を訪れている。国のためにと特攻する人間をどう育てるかと考えていた様子)
しかしこれは見せかけの戦略で、実際には最初の攻撃目標は三体艦隊ではなく、地球文明の宇宙軍だった。
面壁計画を練る中で人間に失望し始めたタイラーはETOを利用することを思いつく。
終末決戦の戦場で、ETOが蚊群編隊を掌握し、地球艦隊に不意打ちの攻撃を仕掛けたのち、三体艦隊に投降。
投降の手土産として、エウロパやケレスや複数の彗星から採取した膨大な量の水を献上する。
三体人にとっては水は再水化に必要な肉体の一部だからだ。
その水を渡すために地球艦隊が三体艦隊に接近した時、ETOパイロットから戦闘機の制御権を奪い、全機を自動操縦モードに切り替えて千機以上の宇宙戦闘機が搭載した百メガトン級のスーパー水爆をゼロ距離で爆発し、三体艦隊を殲滅する。
タイラーの計画は破壁人によって暴かれ全世界にネット上で公開された。
何をいっても『面壁人の仕事をしている』とみなされることに疲れ、タイラーは羅輯を訪れたあと、拳銃自殺する。
そのほかの3人は、計画に実際の科学技術が追いつくまで、冬眠した。
ディアスとハインズは同時期に覚醒。
待っていたテクノロジーが実現したのはたったの8年後だった。
マニュエル・レイ・ディアス
8年後に目覚めたディアスの元に、破壁人が現れる。
百万発以上の恒星型水素爆弾を水星に配置、爆発させることで公転速度が減速、そのまま太陽に落ちていく。
水星の衝突によって太陽の対流層に穴があき、放射層にある大量の恒星物質が高速で宇宙に噴出。
太陽の自転により、渦巻き状の大気層を形成し、金星・地球・火星の内惑星が巨大な隕石となって太陽に落ちる。
勢いも増し、木製・土星・天王星・海王星も太陽に墜落する。
三体文明からすると、太陽系は、三体惑星が三つの恒星に呑まれる前に植民できる唯一の希望であるから、太陽系が滅びれば、三体文明もその後を追うことになる。
この相討ち戦略がディアスの真の計画だと破壁人が暴く。
全ての恒星型水素爆弾を水星に配備し、それを盾にして三体世界に降伏を強要し、最終的に人類の勝利を手に入れる。
惑星防衛理事会でディアスの暴かれた真の戦略に対する公聴会が開かれる。
地球を危険に晒す計画に場が荒れる。
ディアスの計画を中止し、処分しようとする各国の代表に対し、ディアスはデッドマン装置の説明をする。
ディアスの心臓が止まれば水素爆弾が起爆されるというものだった。
この水素爆弾は、水星にあるのではなく会議が行われているニューヨークと聞き固まる面々。
ディアスの願いは生きて祖国に帰ることだった。
ディアスは面壁人としての人生に終止符を打ち、帰郷する。
熱い涙で祖国の土を踏んだディアスに、彼の人民から石つぶての雨が降る。
ディアスは彼の人民によって打ち殺された。
「お前のせいでみんなが殺されるところだった!」1人の老女が死んだディアスに最後の石を投げつけた。
ビル・ハインズ
妻で科学者の山杉恵子もハインズの2年後に冬眠するはずだったが、実際には冬眠せずにずっと研究をしていた。
急速に発達したコンピュータによって脳神経ネットワークの中に、判断を下す精神メカニズムと、判断に決定的な影響を与える能力を発見する。
ある偶然の発見がきっかけとなり研究を進めて、『精神印章』を実用化した。
ハインズが被験者となり、実際に「水は毒である」という精神印章によって信じ込み、水を摂取できなくなった。
この『精神印章』を使って、宇宙軍に勝利への揺るぎない信念を植え付けることができる、というのがハインズの計画の一部だった。
この『精神印章』には、ほぼ全ての国の代表が反対した。
思想統制にあたるからだった。
会議の上、厳密な審査の元、自分の意思で願った宇宙軍関係者にのみ『精神印章』が許可された。
その後ハインズは再び冬眠し、羅輯が目覚めた185年後に再会する。
未来では、面壁計画の失敗が会議にかけられ、ハインズと羅輯は面壁者から一般市民へと立場が回復された。
会議も終わったかと思われた時。
ハインズの妻、山杉恵子が突然発言する。「私はあなたの破壁人です」
山杉恵子がハインズの真の計画を明らかにする。
ハインズの真の目的は、人類知性の向上ではなかった。
脳の量子メカニズムの発見者であるハインズは、基礎物理学が智子によって封印されている今、思考の研究は不可能だった。
そこで精神印章を最終目標にした。
ハインズは精神印章のマシン5台のうち4台を密かに持ち出し、すでに精神印章によって信念を固定化された人々の手に渡した。
そして、勝利主義を刻印するはずの精神印章を陰で操作し、プラスをマイナスにした。
つまり、勝利主義ではなく、敗北主義を植え付けていた。
羅輯
なぜ自分が選ばれたのか分からない唯一の人。
その理由は、智子によって命を狙われたたった1人の人間ということだった。
面壁者になったことを受け入れられず、その権限を利用して絵画の世界のような美しく静かな家で悠々自適な生活を送ることに徹していた。
長年夢見ていた想像上の女性を史強に見つけ出してもらい、女性と日々を過ごすことだけが生きがいだった。
5年がたち、娘も生まれた。
一向に面壁者として動かない羅輯にしびれを切らした惑星防衛理事会に妻と娘を冬眠される。
若干自暴自棄になりながらある仮説にたどり着いた羅輯は、面壁者として一つの計画を実行する。
太陽の電波増幅作用を利用して、宇宙に向かってメッセージを発信する。
それは、三枚の単純な画像と、それらが自然発生したものではなく、知的生命によって送信されたものであることを示す付加的な情報だった。
羅輯はこのメッセージを恒星187JX1に対する呪いだという。
各国の代表、また多くの人々は羅輯をシャーマンだと嘲笑った。
その後羅輯は妻子の後を追うように冬眠する。
再び羅輯が目覚めた時、185年が経っていた。
科学技術は発展し、未来の人々はもう2、30年して和平交渉が成立すると信じて疑わなかった。
地球の科学技術は光速の15%に達し、三体人より圧倒的に速い。
宇宙戦艦も非常に強力なものが数え切れないくらいできている。
三体艦隊は、2世紀の間に隊形はバラバラになり減速、2世紀後に予定通り到着するのは300隻。
ただし、三体世界の探査機が一機、間も無く太陽系に到着する。
その他の科学技術の発展に関してはぜひ読んでみてください。光る服や、建物の形状など面白いことになっています。
謎のウイルスにより命を狙われ続ける羅輯を史強が守り続けていた。
章北海
海軍に所属し、確固たる勝利主義を持っている章北海は、宇宙軍へ入隊後、その才覚を露わにする。
圧倒的な科学技術力の差に、敗北主義が蔓延する宇宙軍の状態を憂慮し、常偉思宇宙軍司令官に進言、信頼される。
科学技術が発展するまで未来増援特別分遣隊長として冬眠する。
冬眠から目覚めた章北海は未来でもその能力を発揮する。
ハインズの真の計画が暴かれたことで、敗北主義の精神印章を刻印されたものが宇宙軍に隠れているのではと疑念が芽生えた宇宙軍では、精神印章が開発される前に冬眠に入った章北海が信頼される。
<自然選択>という宇宙戦艦に搭乗することになった章北海は、艦長代行という役目につく。
艦長代行として<自然選択>の完全な指揮権限を手に入れた章北海は、急に<自然選択>を乗っ取る。
艦長も部屋に入れず、出せる最大速度で動き出す。
<自然選択>は三体艦隊がやってくる方向とは正反対へ向かっていた。
総合司令部は反逆と捉えたが、一般の乗員約2000人に関しては人質となっている可能性の方が高かったので、攻撃はできなかった。
光速の100分の1まで加速した<自然選択>は燃料を消費し、自力で太陽系に戻ることができない、永遠に宇宙をさまよう孤独な船となっていた。
章北海は艦隊司令官に反逆ではないと告げる。
真意は、この戦争で人類は必ず負ける。地球のために恒星間宇宙船を一隻温存したかった、というものだった。
章北海は祖父の代から軍人の家系で、軍人というものがその中心部にこびりついていた。
軍や戦争の歴史から、技術力格差は決定的な勝敗要因だと信じて止まなかった。
章北海は冬眠する前から、2世紀にかけてこの宇宙戦艦奪取を計画していた。
常偉思少将は、章北海の本心をほぼ見破っており、未来増援特別分遣隊に入れることに反対していたが、上層部の命令に逆らえなかった。
その後、三体艦隊からのたった一隻の探査機がついに太陽系に到着する。
孤立したたった一隻の敵艦が地球が誇る2000隻もの宇宙戦艦が待つ太陽系にやってくるということで、地球では交渉を目的にやってくると推測されていた。
2世紀の間に、人々は三体世界が侵略にやってくるという意識を楽観的なものに塗り替えていた。
ちっぽけな一隻のために2000機が美しく並ぶ。
その一隻は、あまりにも美しくシンプルな形をしていた。あらゆる可能性を超越した美しさを持つその敵艦を、人類は『水滴』と呼び、その美しさから好意的に見るものがほとんどだった。
『水滴』の鹵獲ミッションが小型無人宇宙船により行われた後、『水滴』は自爆しなかった。
この事実が、『水滴』は軍事探査機ではなく、三体世界が人類に贈ったプレゼントであり、平和と友好の証だと歓声を沸き起こす。
人類は人類の勝利を確信した。
『水滴』の調査をしていた丁儀は、2千万倍に拡大しても表面が滑らかな『水滴』に恐怖を覚える。
それは、分子がきっちり整列し、固く結びついている。太陽系で最も硬い物質より百倍も堅い、何をしても全く傷がつかない得体の知れないものだった。
その時、『水滴』が爆発した。
そう思った次の瞬間には、美しく並んでいた2000隻の地球防衛宇宙軍の戦艦たちが爆発し始める。
誰も分かっていなかったが、『水滴』がものすごいスピードで艦隊を貫通していた。
そのほとんどが燃料の入っている部分を狙われていたので、爆発、次々と失われていった。
『水滴』は貫通しても方向を変えてもそのスピードを弱めることがなかった。
物理の法則を全く無視した動きだった。
あっという間に全人類の航空宇宙兵力を壊滅させたのは、たった一機の探査機だった。
同じような探査機があと9機、3年後には太陽系に到達する。
その1万倍の大きさの三体戦艦1000隻が、今にも太陽系に迫りつつある。
人類は絶望に包まれた。
地球では集団的精神崩壊がいたるところで起こった。
章北海は、『水滴』から宇宙戦艦を守ったとして、生き残った4隻の戦艦の司令官になってほしいと言われる。
5隻の宇宙戦艦が、人類の残された最後の恒星間宇宙船だった。
その中でも精神的な病が乗員を襲う。
資源の奪い合いだった。
このまま大勢の乗員を乗せて地球を捨て、他に暮らせる星を探すための燃料も部品も不足していた。
一部を犠牲にしないと全員が死ぬ状況だった。
やらなければやられる一触即発の状況の中、決断を迫られた章北海が他の宇宙船を攻撃しようとしたその時、<自然選択>は<アルティメット・ロー>から超低周波水爆を発射された。
他の宇宙船もそれを受けたが、準備をしていた<藍色空間>が反撃を開始、最後の1隻となった。
もう一つ、太陽系の反対側の端では同じように2隻の宇宙船が奪い合い、<青銅時代>が生き残る。
2隻は太陽系を間に挟んで互いに遠ざかった。
2隻にとって地球はすでに死んだ世界だった。
三体世界にやられちゃうの?
地球の宇宙戦艦の同士討ちを知ってなぜか「私は正しかった!」と喜ぶ羅輯。
その後羅輯は、『水滴』は僕を殺しにくる、といい、史強にも半ば呆れられる。
誰にも信じてもらえない中、他の人に迷惑をかけないように、人がいない場所へ向かう。
すると突然『水滴』が動きを止める。
そこは、地球と太陽を結ぶ直線上であり、太陽に向かって絶え間なく強力な電磁波を出し続けていた。
その強さは、太陽の増幅限界をはるかに超え、周波数は太陽が増幅できる全帯域をカバーしていた。
羅輯は気づく。
人類は太陽というスーパーアンテナを通じて宇宙に強力なメッセージを送ることが不可能になった。
絶望に包まれ史強と帰っていると、なぜか大勢の人々が羅輯をたたえていた。
そこにはハインズもいた。面壁計画が復活し、羅輯がただ1人の面壁者に選ばれたという。
187J3X1星が破壊されていた。
呪文が効いていた。
羅輯の真の計画
羅輯は面壁者になる前に、三体世界と初めて交信した葉文潔に会い、宇宙社会学を学べと言われていた。
その公理は二つ。
その一、生存は、文明の第一欲求である。
その二、文明はたえず成長し拡張するが、宇宙における物質の総量はつねに一定である。
宇宙は大きいが、生命はもっと大きい。宇宙の物質の総量は一定でも、生命は指数関数的に増大する。
文明は数十億年前に宇宙に芽生えたのかもしれない。
宇宙はすでに満員になっているのかもしれない。
宇宙全体にあとどれくらい空きがあるのか、占有されていない資源がどれほど残っているのか、誰にもわからない。
その中で生まれるのが猜疑連鎖だ。
未知の文明がいたとして、それが善なのか悪なのかは分からない。
善であったとしても、それを相手が知ることはできない。
善だと相手がみなしている、と分かっても、相手がどう考えているかはわからない。
これが永遠と続く。
地球上であれば、同じ種族同士、コミュニケーションで解決できるが、宇宙では猜疑連鎖がとても長く延びていく。
コミュニケーションによって解決される前に、地球宇宙戦艦間の戦いのようになってしまう。
また、もし相手が弱小だと分かっていても、それがいつ技術爆発を起こし、強者になるか分からない。人類の技術発展もここ300年ほどのもの。
それは宇宙の歴史からしたら爆発に等しい。どの文明で起こっても不思議ではない。
宇宙では、できることは一つしかない。
相手が天使でも悪魔でも、か弱い赤ん坊でも老人でも、相手を消滅させること。
自らの存在を晒す生命は、たちまち一掃されてしまう。
羅輯が冬眠前に行った呪いは、それを確かめるものだった。
今は、太陽が封じられてしまった上に、封鎖されていなくても、太陽系と三体世界の距離と大まかな方向は地球が曝してしまっているので、三体世界の位置を曝すことは、太陽系の位置を曝すことと同等で危険だった。
面壁者として羅輯は公聴会に召集される。
そこで、斑雪計画を率いて欲しいと言われる。
斑雪計画
恒星型水素爆弾と海王星の油膜物質を使って宇宙に星間雲を作り、水滴がつかするとき、その航跡を観測できるようにするプロジェクト。
しかし、斑雪計画は本格的に始動することはなかった。
敵の到着を知らせるだけの計画に誰も関心を示さなかった。
しかし、羅輯だけは全身全霊を傾けた。
羅輯が没頭すればするだけ、世間は失望した。
意味のないプロジェクトに没頭するのは、冬眠している妻子に早く会いたいからだと知れ渡っていたためである。
最終的に、太陽から2天文単位離れた軌道上に、油膜物質で包んだ恒星型水爆3614発を配備したが、計画の三分の一ちょっとの規模だった。
これらを爆発させても、太陽を囲む星間雲ベルトを形成することはできず、敵襲来の早期警報と役割は果たせない計算だった。
打つ手がなくなった人類は、羅輯を救世主として担ぎ上げながらも、数年後にはペテン師として冷遇していた。
限界に至った羅輯は、楊冬とその母親、葉文潔の墓へと向かう。そこで自分の墓を掘るつもりだった。
墓石に寄り添っているうちに寝てしまった羅輯は、最愛の妻子の夢を見る。
未だ冬眠している家族への想いが再燃し、三体文明と最後の対決を決心する。
最終決戦
「三体世界に話がある」
羅輯は大きくない声で言ったが、三体世界に聞こえているのは分かっていた。
羅輯は手首に巻いている腕時計のようなものをむき出しにした。
それは主体反応モニターで、レイ・ディアスが使っていたシステムを利用している。
これが発するシグナルは、斑雪計画で太陽軌道上に配備された3614発の恒星型水素爆弾に届くようになっている。
羅輯が死ぬと、全ての水爆が爆発する。
すると、水爆を包む油膜物質が、その爆発によって、太陽を囲む3614個の星間雲を形成する。
それらは三体世界とその周囲の恒星の相対位置を示す。
羅輯は自分の心臓の鼓動を止めようとしていた。
そうすることで、二つの文明を滅ぼす事になるが、後悔はない。唯一の選択肢だからだ。
羅輯が与えた猶予30秒の間に、智子が現れた。
頭上に3つの球体があった。
その3つの球体の表面に同じ文字が現れ、羅輯と会話をする。
智子はやめろ!といい、羅輯の要求を受け入れるという。
- 『水滴』が太陽へ向けて電磁波を放射するのをやめる
- 太陽系に向かって進んでいる9個の『水滴』がすぐに針路を変えて太陽系を離れるようにする
- 人間にその真偽を確認する手段を与える
- 三体艦隊はオールトの雲を越えてはならない
智子はほぼ全てを受け入れ、しまいには羅輯の健康状態まで気にし、救急車を呼ぶか?と聞いてきます。急に友達か!
智子が優しすぎてびっくりしました。『水滴』は地球の宇宙艦隊をぼろくそに破壊したのに。。
5年後、羅輯は愛する妻の荘顔、娘と共に暮らしていた。
ある日智子が突然現れ、「それが愛ですか?」と尋ねる。
羅輯が講演で、「宇宙の本質は暗黒森林だと理解するのがこんなに遅れたのは、人類文明の進化が未熟で宇宙意識を欠いているからではなく、人類に愛があるからだ」と言ったことに抗議しにきたという。
智子めっちゃ絡んでくるやん!
そんなことで?愛への抗議?もう隣のおじちゃんみたいやん!
最終的には、三体世界にも愛はある、愛が芽生えた文明はそれを育てていくといいですね、って話で終わっていました。
小言
どうでしょう。
結末はつっこみたくなるんじゃないでしょうか。
あんなにめちゃくちゃな数の爆弾作ったり、精神印章とか特攻隊みたいなん作ろうとしてたけど!
話し合い(脅し)で話通じたやん!結構すぐ要求受け入れたやん!
それほど宇宙が暗黒森林だということなんでしょうか。
存在を他者に知られることが最も危険なこと。
そこに気がつき、準備を人知れず出来た羅輯の勝利でした。
未来の科学技術の描写や、三体人の脱水できる特性なども面白いですが、あまりにも最後サクッとした感じで終わったので拍子抜けでした。
しかし!三体はこれで終わりません。
第三部が待っています。
どんな話になるか楽しみです。
また読んだら備忘録にあげたいと思います。
長くなりましたが、最後まで読んでくださってありがとうございました!
第一部のあらすじネタバレはこちら↓
「三体」第一部のあらすじ紹介!(※ネタバレあります)【前評判ほどではなかった?!】中国SF小説の金字塔はどんな話?
第三部のあらすじネタバレはこちら↓
ついに完結!「三体」第三部あらすじネタバレ有。三部が一番面白い!やっと読むのやめられなくなった。(上巻)
ついに完結!「三体」第三部あらすじネタバレ有。三部が一番面白い!やっと読むのやめられなくなった。(下巻)
中国SF小説の金字塔「三体」三部作まとめ。最初は???だったけど、第3部で今までの期待をはちゃめちゃに超えてきた!
コメント