全員怪しい!宮部みゆきの名作『レベル7』のあらすじネタバレ有り!怒涛のスピード感で話は予測不能の結末に。

ミステリー
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直接対決

三枝と裕司、明恵は正面から潟戸友愛病院へ入る。

「緒方裕司」の名前を使い、榊達彦を呼び出し、猛蔵のところまで連れて行かせついに対面する。

部屋に残されていた拳銃を向ける。
2人が潟戸友愛病院に侵入した際には、記憶の消去はしなかったらしい。

その時は孝はいないと行って返したが、その後もしつこく嗅ぎまわるので、一樹のバーで行った。
目覚めた部屋に5000万円と拳銃を置いていたのは、その後動きにくくするためと、その手切れ金のつもりだった。

記憶を消す方法は、娘婿2人が合成に成功したパキシントンというホルモンの一種で、これと電気ショック療法の併用で薬の副作用はほとんどなしに、電パチの回数は10分の1以下で記憶喪失の人間を作ることができる。

腕に残されたレベル7の文字は、院長である猛蔵が直に扱う患者という意味だった。

それから榊医師をトイレに閉じ込め、猛蔵に孝が閉じ込められている地下まで案内させる。

その間猛蔵と三枝のやりとりに違和感を覚えつつ裕司は状況を整理しようとする。

その時、非常ベルが鳴り響いた。スプリンクラーが作動し、猛蔵に逃げられあとを追う。

猛蔵を追った3人は幸山荘に到着した。
灯台元暗しだった。

孝は病院ではなく、事件後、人が消え閑散としたあの別荘に匿われていた。
猛蔵は好きにしろと言う。

事件のあった幸山荘に戻ってから、裕司は妙な違和感を覚える。
そして「トーテム」と言う言葉がずっと頭を巡っていた。

孝は2階のベッドで寝ていた。
顔は整形したのか傷だらけで変わっていた。

三枝は裕司に拳銃を渡し、家族の仇を討て、殺せと迫る。
出来ないと拒否していたが、孝が目覚め、包丁で襲ってきたので三枝が裕司の手を引き、反動で撃ち殺してしまう。

あっけない最後だった。

明恵の様子を見てこいと三枝に言われ、その場を後にすると誰かの手が裕司の袖を掴んだ。

明恵だった。明恵は目が見えるようになっていた。
そして、車に戻った猛蔵が「してやったり」と笑っていたと裕司に告げる。

明恵を連れ幸山荘に戻り、孝の死体を片付ける。
疲れて休憩しているときに、ふと「トーテム」と言う言葉を口にしてしまう。

それを聞いた猛蔵が、「あれはひどかった。ソファに包丁が突き立ててあったからな…」と事件当日の情景を話し出す。
マスコミには報道されなかった内容だった。

「喋りすぎだ」と言う三枝。
「コネがあるから警察から聞いた」と言う猛蔵。

明恵がさっと拾った拳銃を裕司に渡し、裕司と明恵は三枝・猛蔵と対峙する。

裕司は猛蔵にベランダに出て非常用ハッチの上に乗るように指示する。
猛蔵はできない。ここのハッチが通常よりも簡単に開くことを知っていたからだ。

両親たち4人を殺したのは猛蔵だった。

そしてその罪を孝になすりつけ、孝も殺そうとした。
そしてその孝をこの場に連れてきたのが三枝だった。

三枝は猛蔵とグルだった。

三枝は潟戸の隣町に住んでいた。

幸山荘の翌日、釣りの穴場で傷だらけの男を拾った。
それが孝だった。「親父にはめられた」と言う孝をみて、直感で金になると思い、猛蔵に連絡した。

猛蔵は本当に孝を崖から投げ落として殺そうとしたが、生きていた。
指紋が一致したからだ。

孝を始末しようとした矢先、裕司と明恵が孝は生きていると嗅ぎまわり始めた。

猛蔵はこの2人も消そうとしたが、三枝が2人が行方不明になったら逆に怪しいと止めた。

そして三枝の計画では、猛蔵が消したい2人に孝を殺させる。
そして口をつぐませる、というものだった。
高田馬場のアパートから調査資料を片付けたのも三枝だった。

なぜ両親たちを殺したのか。

「あいつらが俺の町へやってきて、俺に逆らったからだ。俺からこの潟戸の町を取り上げようとしたからだ!」とむき出しの憎悪に身を震わせる。

「俺に反対している地主の連中の尻馬に乗ってコケにしようとした」

「俺がここまで大きくした町だ!」徹底したエゴイズムだった。

別荘地に観光客が来るようになり、環境美化や町のステイタス向上といって精神病院がやっかまれることが許せなかった。
残虐な事件を起こすことで、観光客の足を遠ざけることが出来た。

殺しはプロに依頼した。猛蔵が出向くと何の躊躇もなく部屋に招き入れ、殺し屋も簡単に別荘に入れた。そこからはあっけなかった。
包丁をソファに突き立てたのは猛蔵だった。
そして孝もやった。
孝が雪恵に迫っていたというのは、本当は猛蔵が危ないということを伝えようとしていたらしい。

全てを白状し、それを警察に伝えるという裕司に三枝は抜いていた薬莢を見せる。

武蔵が包丁を明恵に突きつける。
三枝が全て本当のことなのか猛蔵に確認すると、「完璧だ」と全く新しい声が聴こえる。

驚愕する裕司、明恵そして猛蔵。

裕司に撃たれて死んだはずの孝が起き上がっている。

全てビデオに撮っているという三枝。猛蔵はベランダに逃げたが非常用ハッチが開き下に落下、動かなくなっていた。

生き返った男の名前は相馬修二。三枝は、「これで完全に終わった」と言った。
下から榊医師の声が聞こえてきた。


真行寺悦子


ネバーランドという一種の電話駆け込み寺でカウンセラーをしている真行寺悦子は娘のゆかりと2人暮し。

夫、井出俊之は37歳の若さで過労死した。

悦子の家に不躾な貝原好子が娘のみさおを探しに訪れる。
行方不明になって4日になるという。

17歳のみさおはネバーランドで得た唯一の昇格友人だった。

好子はみさおの日記を持ってきていた。日記には、

「7月14日 初めてレベル1を見た」
「7月20日 レベル3 途中で断念 くやしい」
「8月7日 明日レベル7までいってみる。戻れない?」

とよく分からない言葉が書いてあり、8月7日を境に日記は途絶えていた。
みさおのことを気にかけていたある日の夜、みさおから電話がかかってくるが、「真行寺さん…たす…」と途切れてしまった。
その電話を受け、みさおを本格的に探す決心をする。

翌朝貝原好子の元を尋ねると、昨晩みさおから「横浜でアルバイトをしているから心配いらない。友人の家に泊めてもらっている」と連絡が入ったので、余計なことはするなと釘を刺される。

そんなことは聞いていない、昨晩の電話がいたずら電話には思えない、と横浜のアルバイト先と思われるお店に片っ端から電話をしてみる。

「ブランコ」というお店でみさおが面接にきていたことが判明、1人ではなく、久野桃子という同い年くらいの女の子と一緒だったことを教えてもらう。

久野桃子と連絡をとり、みさおがパーラー小松でアルバイトをしていたことを知る。
パーラー小松でみさおと親密にしていた安藤という男から話を聞く。

安藤は以前、真行寺に会いに行くみさおについて行ったことがあった。
その時は、会う約束ではなく、真行寺の働いている場所がどんなところか見に行ったそうで、ずっと真行寺が出てくるのを待っていたらしい。

そこで真行寺を尾ける40代くらいの男を見たという安藤。

男は真行寺を尾けたあと、榊クリニックという精神科クリニックへ行き、その後ラ・パンサというバーに入って行ったという。その男は、右足を軽く引きずっていた。

悦子はゆかりを連れて榊クリニックを訪れる。
ゆかりが腹痛のふりをして、急患を装って榊医師と面会を試みたのだ。
榊医師の前で、知人だといい、足の不自由な男とみさおの話をすると明らかに顔色が変わった。

その後病院の前で大きく「みさお!」と叫び、4階のブラインドが僅かに動くのを見た。

そこで父の義夫に張り込んでもらうことにした。
義夫は元新聞社勤務で張り込みのプロだったのだ。

夜3人で張り込んでいると、右足を引きずる男が榊クリニックにやってきた。
義夫が声をかけると、その男は驚愕で凍りついた。

その男とは「三枝隆男」

義夫とは古い知り合いだった。
三枝はみさおを救い出そうとしていた。
綿密な計画を立てているようで、悦子たちに今は何もしないでくれと頼み込む。

そして悦子たちは、三枝に言われたみさおが移される可能性のある場所、潟戸友愛病院を教えてもらい向かう。

約束の時間まで近くの喫茶店で待つ悦子は、三枝との関係について義夫に尋ねる。

悦子の母親は、18年前の「新日本ホテル火災」に巻き込まれた1人だった。
そして、三枝が母親を助けた恩人だった。

当時三枝は、一時期母親が恋していた相手で、2人でホテルの最上階にいたのだった。
浮気相手だった。
もともと三枝は社会部にいた記者で、義夫の知り合いだった。
悦子の家で3人でご飯を食べたこともある仲だった。
三枝の右足は、この火災の時の後遺症だった。


予定の時間になってもなかなか動きがなく不安に鳴りながらも潟戸友愛病院の前で待ち続けていると、非常ベルが聞こえ、みさおの声が聴こえる。
ずぶ濡れのみさおと榊先生が車にやってくる。


東京に帰るつもりだった悦子一行だったが突然村下一樹の車が横切る。榊医師たちの計画にはないことだったので慌てて別荘地への方へと後を追う。

一樹が車から出てきたのを見届けて、義夫が取り押さえる。義兄である榊医師の裏切りに気づき暴れる一樹だが、真行寺が股間を蹴り上げ黙らせる。

すると、ベンツに人影が寄ってきた。村下猛蔵だった。トランクからビニールシートを出す猛蔵は顔中で笑っていた。
そして幸山荘へと戻っていった。
手前の国産車の後部座席にいた女性が車を降りて、やはり幸山荘へと向かっていく。

貝原みさお


貝原みさおはラ・パンサというバーで村下一樹からレベル7に行ける何かを注射されていた。
これはみさおが望んだことだった。
「冒険」だと思っていた。
突如聴こえた女の悲鳴にパニックになったみさおを助け出したのは、一樹の義兄、榊達彦だった。

達彦は薬が完全に抜けるまでみさおを榊クリニックに秘密裏に入院させる。
母親が心配しないように榊クリニックから電話をかけさせ、看護師が友人の母親を名乗った。

榊医師から「必ず救う」と言われ耐えていたが、悦子が榊クリニックの前で「みさお!」と呼んだことで反応してしまい、潟戸友愛病院へ移送され、比べ物にならない酷い部屋に閉じ込められる。

しかし、非常ベルが鳴り、榊医師が部屋から助け出してくれた。
榊医師は、外で真行寺が待っているから早く逃げるように言う。
なぜ真行寺を知っているのか尋ねると、仲間から聞いたのだと言う。


真行寺を尾けていた三枝を追っていたみさおはラ・パンサで一樹と知り合い、三枝とも顔を合わせる。真行寺のことを話すと、余計なことをするなと大激怒され、自分が嫌いなみさおはひどく落ち込む。
そこを酒とともに一樹に丸め込まれ、レベル7の薬で嫌なことを忘れられる、と誘われ乗ってしまう。みさおはこの遊びを気に入ってしまった。

仕組まれたすべて

裕司たち、悦子たち、榊医師とみさお全員が幸山荘で顔を見合わせる。

裕司はこれほど多くの人が関わっていたのかと驚く。

三枝は、「新東京ホテル火災事件」から18年間ずっと猛蔵を追っていた。

攻めるなら潟戸友愛病院からだと隣町の三崎に住んでいたこともある。
孝の母親、俊江が死んでから、その自動車の整備をしていた工場に潜り込んで働き始めた。
そこに孝が真正面から「細工をしたんじゃないのか」と殴り込んできた。

そこで孝と出会った。自分の正体を明かし、彼を町から出した。

孝は自分が次から次に事件を起こすことで俊江が追い出されたらいいと思っていたらしい。
なんとか猛蔵の尻尾を掴みたかったがなかなか厳しく、一旦は東京に戻った。
その頃孝はどうしようも出来ない苛立ちから荒れて暴力団との繋がりも出来てしまっていた。
猛蔵が捕まらないなら俺が殺す、という勢いだった。

そして幸山荘事件が起こってしまった。
孝は本当に死んでいた。猛蔵に殺されていた。
たった1つ猛蔵の誤算が、孝の遺体が発見されなかったこと。

そこで三枝は乾坤一擲の賭けに出る。
修二を孝に仕立てて猛蔵を揺する。
そのために、榊医師と仲間になり友愛病院に残されている孝の指紋を修二のものにすり替えてもらった。
予定外だったのは、裕司と明恵が現れたことだった。
猛蔵は簡単に消せというからそれをさせないために必死だった。
記憶喪失にするのだけは避けられなかった。
榊医師が危なくないように目を光らせてくれていた。

修二は「新日本ホテル火災事件」の遺族だった。
両親は当時1歳だった自分を消防士に預け、逃げ遅れて死亡した。顔の傷はその時のものだった。
三枝とは遺族の会で知り合った。

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小言

いやー長かった(笑)
途中で「やめときゃ良かった」となんども思いました(笑)

でも、改めて読み返すとめちゃくちゃ面白いですね。話がいろんなところで交差して、伏線もたくさんあって、「ここで繋がるのか!!!」と読みながら興奮します。

話が複雑なので、一度読んでもそう簡単には内容覚えられないので、何回も読み直すことをお勧めします。
え、記憶のない男が孝?って3度目でも思いました(笑)


最後は、三枝の「警察を呼べ」の一言で終わります。
18年間言いたかった言葉。罪を逃れて新たな罪を犯し続けた猛蔵の悪事をようやく日の当たる場所に晒すことが出来たんですね。
こんなきったねー奴がいるのか!とハラワタ煮え繰り返る思いですが、何となくどこぞの議員が頭の中をちらついたり…笑

長いですが、あっという間に読めます。
本当宮部先生はどうやってこんな複雑なストーリーを思いつくのか。
感嘆しますね。

「レベル7」が長いので、この記事も長くなりましたが、最後まで読んでくださってありがとうございます!

長編もどんどこい!の方には、「古書の来歴」も超絶おすすめです。
これも長いけど読むのをやめられなくなる徹夜本です。



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