図書館よりも本屋さんの方が本が面白そうに見えるのはなぜだろう、みかんです。
これいつも思うんですよね。
図書館に行くと、どれ借りようかな〜って迷うんですが、本屋さんだと「これも読みたい!あ、これも!」って逆に読みたい本が多すぎて迷います。
不思議〜!図書館も読みたい本がありすぎて困る!ってなったらいいな〜
今回ご紹介するのは、本屋さんをぶらぶらしているときに見つけたこちら。
『ルビンの壺が割れた』
もうね、帯とかポップが目を引きましたね。
「大どんでん返し」
この言葉、大好きです。
こちらの想像を裏切られるパターンの話が大好き!
有名どころでいえば、「イニシエーション・ラブ」ですね。
こちらは本当に期待以上でした。
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前評判で、絶対裏切られる。と聞いていたので心してかかりましたが、ばっちりハマりました。
映画ではディカプリオ主演の「シャッターアイランド」も好きでしたね。ほおおおおおお!ってなりました。
初めてアニメでどんでん返しを食らったのがこちらです↓
どんでん返しアニメといえばこれ!「オッドタクシー」あらすじ紹介(ネタバレ有)無料で観る方法も。
これは本当に最後「ひえぇぇぇぇ!」となるのでぜひ観ていただきたい。
ということで、この帯とポップの「大どんでん返し」に惹かれて買って読んでみました。
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あらすじ
文章は一貫してfacebookのメッセージでのやり取りの体。
「突然のメッセージで驚かれたことと思います。失礼をお許しください」
男が昔好きだった女性に宛てたメッセージから始まります。
メッセージのやりとりが進んでいく中で、2人が何歳くらいで、いつ頃付き合っていたのかがわかってきます。
大学時代に同じ演劇部だった2人。
結婚式当日、花嫁が現れなかったところから男の人生は狂ったという話。
でも恨んではいないし、ただたまたまfacebookを始めてみたら懐かしい女性の名前を見つけたので連絡を取ってみた、ということらしい。
次第に結婚式当日なぜ花嫁は現れなかったのか、真相が明らかになります。
結末 ※ネタバレ有り
薄い本なのでさらっと読めますが、先に結論を知りたい人はこちらどうぞ。
知りたくない人は読まないでくださいね!
メッセージを送り続けていた男、水谷一馬は執拗に昔の恋人、未帆子にメッセージを送り続けていた。復縁が目的ではなく、昔愛した人が幸せになっているのかが気になるとの事だった。
返信はなかったが、3通ほどメッセージを送り続けると、未帆子からも返信があり、2人のやりとりが始まった。
最初はお互いが30年以上も前の大学時代を懐かしむ会話をしていたが、徐々にお互いに言ってはいなかった真実が明らかになる。
水谷の過去
中3のときに両親を亡くし、元伯父(離婚して本当は親戚ではなくなった)に引き取られる。
元伯父は再婚しており、奥さんの連れ子の優子という美しい妹も出来た。
大学に進学し、演劇部の部長となる。脚本もかき、女性にももて、才能溢れる若者だった。
実家に帰った際に、伯父から優子が水谷のことを好きだから婚約するように言われる。
最初は渋っていたが、散々お世話になった恩もあり、優子と付き合うようになる。
その婚約中、演劇部に入ってきた未帆子と出会う。
未帆子は見た目は化粧っ気もなく、子供のようで全然気にも止めていなかったが、演技をするとその役が憑依するかのように様々な役に化けた。
未帆子のことが気になり、優子と別れて未帆子と付き合いたいと考えるようになる。
実家に帰った際に、伯父にそのことを伝えると大激怒される。
家族が不在の折、優子の部屋でたまたま優子の日記を見つける。
そこにはいかに優子が水谷を好きかが書いてあった。
そして、伯父と肉体関係があることも書かれていた。
伯父の部屋を漁ると、優子のヌード写真も出てきた。
水谷は家を去る。
このことは付き合っているときは未帆子に伝えてなかったと今更メッセージで述べる。
未帆子についての記載
未帆子は土日老人ホームでボランティアをしていると噂があった。
そのことを聞いたけど特に気になってはいなかった。
意識したのは、演技を見てから。
未帆子が演じることで自分の脚本はさらにいいものになると感じた。
付き合ってしばらくして他の部員から、未帆子が浮気しているということを聞かされた。
信じていなかったが、ある休日未帆子の後をつけることにした。
何もないと思ってついていくと、未帆子は「ソープ」と看板がかかったビルに入っていった。
色んな理由があったんだろうと、未帆子を許すことを決めた。
未帆子の過去
高校までは比較的裕福な家庭で育ったが、経済状況が悪化。
当然のように大学進学を目指していたが、難しくなってきた。
そんなとき、高校の同級生からソープ(昔はトルコと呼ばれていた)で働くことを提案される。
最初は一蹴していたが、大学に行きたい気持ちもあったので話を聞いてみることに。
店長の手口にまんまとハマり、働くことに。未帆子自体は「労働」と割り切っていた。
結婚式の日何があったのか
未帆子が1人で水谷の家にいたとき、ふと開けた引き出しから女の子の髪留めを見つける。
どこかで見覚えがある髪留め。
行方不明になっている幼女の髪留めと同じだった。
それは、女の子の母親が手作りした世界で1つしかない髪留めだった。
震える未帆子は、同級生にも確認してもらい警察に通報する。
結婚式当日、水谷は幼女誘拐殺人事件の犯人として逮捕される。
そして約30年間服役、出所してからfacebookを始めたのであった。
未帆子とのやり取りの中、水谷からの連絡が途絶え、アカウントが消えていた時期に、かつての婚約者優子が行方不明になっていた。
最後は「変態野郎」という未帆子からのメッセージで終わる。
変態野郎を感じたところ
最初の数ページは、昔の恋人に思いを馳せる純愛小説?とも思ったのですが、変態犯罪者ストーカークソ野郎のストーカーメッセージでした。
結構序盤で、「何こいつ」と思う場面がちょくちょく出てきます。
(facebookの未帆子と思われる人の写真を拡大してネックレスから本人と特定したり)
(断れているのに執拗に結婚後の姓や住所を聞こうとしたり)
(聞かれていないのに、優子との性生活や、未帆子の売春について書いたり)
(未帆子のことを批判めいた書き方しているのに、そういうつもりじゃないと言ったり)
普通の恋愛小説じゃない、痛い男かな?と思ったら、くそ犯罪者でした。
水谷の中では幼女誘拐殺人はなかったことになっているのか?
罪を反省する素振りはまったく見せません。
おそらく行方不明になっている優子は水谷に殺されたということでしょう。
未帆子と同じように、出所後facebookで連絡をとり所在を確認、殺したのではないかと思います。
伯父と関係を持っていた優子と、売春をしていた未帆子。
どこか女性の性について病的な反応をする水谷。
全然ハッピーエンドではありませんが、最後未帆子が「変態野郎!」と言ってくれたのはすっきり?しますかね。
小言
序盤から何かおかしいなぁと気づくのは気づきます。
犯罪者で服役後のfacebook始めてみた、というのは「ほお〜」という感じです。
ずーっと違和感というか不穏な感じがあるので、結末で「おおお!大どんでん返し!」というほどではなかったなあという感想です。
かなりページ数も少なくさくさくっと読めるので、不穏を感じたい人はぜひ読んでみてください。
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