全員怪しい!宮部みゆきの名作『レベル7』のあらすじネタバレ有り!怒涛のスピード感で話は予測不能の結末に。

ミステリー
スポンサーリンク

宮部みゆき「レベル7」


おはようございます。部屋が掃除しても掃除しても汚いよ!みかんです。

もう片付けてもすぐ散らかるからきいいいいいいいいい!!!ってなる。。

本日は、大好きな宮部みゆき先生の初期の傑作のご紹介です。

これ、確か私が小学生?中学生?の時に読んで衝撃を受けた作品なんですね。
で、20年ぶりくらいに読みたくなって読み直したんですけど、こんな作品やったんや!!と初めて読んだ気持ちになりました。

昔夢中になった本を年月が経って読み直すもの新鮮で面白いですね。

スポンサーリンク

「レベル7」あらすじ(ネタバレ無し)

「レベル7まで行ったら戻れない」
――謎の言葉を残して女子高生が失踪します。
記憶を全て失って目覚めた若い男女の腕に浮かび上がった「Level7」の文字。

少女の行方を探すカウンセラーと自分たちが何者なのかを調べる二人。
二つの追跡行はやがて交錯し、思いもかけない凶悪な殺人事件へと導いていきます。

緊迫の四日間。


はい。そうなんです。四日間の出来事なんですが、複雑に色んな線が絡み合うので700ページ以上の長編小説となっています。
めちゃくちゃ長いです。
でもあっという間に読めます。

「ソロモンの偽証」もかなり長いですが、面白すぎて読むのが止められませんもんね。
どうやったらこんな小説が書けるんだろうと不思議でたまりません。

一から読むにはちょっと長いので、昔読んだけどどんな話だったっけ?という人向けにネタバレ有りのあらすじ結末を書きます!

初見の人は、ご自身で読むほうが何百倍も面白いので、ぜひここから先は読まないようにしてください!

ネタバレ有りのあらすじはめっちゃ長いです!笑
ご覚悟を!


あらすじ・結末※ネタバレ有り

記憶を失ったふたり


記憶を全て失った男女が見ず知らずの部屋で目覚める。

2人の腕には「Level7」とよく分からない英語と番号が刻まれていた。

部屋を調べていると、スーツケースいっぱいの現金と拳銃、血のついたタオルを見つける。2人は何か悪いことをやらかしたのではないかと不安になり、病院にも行けなくなる。

また、彼女は急に目が見えなくなった。

建物の周りを歩いて出会った三枝という男は、2人が目覚めた707号室の隣、706号の住人だった。ちょっとしたことから部屋に入ってこられ、拳銃と現金を発見されてしまう。

前科者で現在はジャーナリスト、右足を軽く引きずる癖のある三枝は、2人の正体を探すのに自分を雇わないかと交渉してくる。
そして3人での行動が始まる。

部屋にあった地図のコピーを見て三枝がFAXのコピーであることに気づく。
その番号は、新宿の精神科病院「榊クリニック」だった。

患者の家族を装い訪問してみるも、紹介状がないと受付で帰されてしまう。
受付のお局安西は冷たい態度だったが、もう1人の太田は親切だったので、太田に接触を試みる。

仕事後に会ってくれた太田から病院の話を聞く。

  • 榊クリニックの院長は38歳で患者さん思いの優しい先生
  • 榊先生の奥さんのお父さん(榊先生の義父)村下猛蔵は有名な精神科医で、どんな患者も受け入れる精神科の大病院 潟戸友愛病院の経営者だった
  • その義父の息子、宮前孝が「幸山荘事件」の犯人だった
  • 「幸山荘事件」去年のクリスマスイブ。大先生の息子、宮前孝が大先生の知り合い2人とその片方の奥さん、もう片方の娘を拳銃で殺害した事件。孝は大先生の二番目の妻の連れ子でちは繋がっていなかった。
  • 基本的に通院で、入院は滅多にないが特例で最近若い女の子が入院してきた


村下一族


猛蔵には一番目の妻との間に3人の子供がいた。
長男 一樹…パブを経営
長女 みどり…榊達彦(榊クリニック院長)と結婚
次女 えりか…遠山顕(潟戸友愛病院副院長)と結婚

二番目の妻俊江の連れ子が孝。
元々暴力的で学校でも問題を起こしていた孝を潟戸友愛病院へ入れて、猛蔵と俊江は懇意になった。

何もない潟戸で友愛病院を日本有数の精神科大病院にした竹下猛蔵は潟戸の英雄となった。
友愛病院のおかげで発展した町だった。

幸山荘事件


潟戸町の開発事業の1つ。
東京から日帰りもできる距離で荒れていない景勝地。リゾート開発に着手した。
この事業には猛蔵は噛んでいない。

12戸作られた別荘のうちの1つが幸山荘で、購入者は三好一夫と緒方秀満という2人の幼馴染の共同購入だった。2人は猛蔵と同郷だった。

三好氏は男寡で娘2人を1人で育て上げた。
事件の日は次女の雪恵(20)を連れてきていた。
緒方氏は育子という夫人を連れてきていた。2人には息子が1人いたが、当日は連れてきていなかった。

たまたま村下家を訪ねていた雪恵を見て連れ出そうとして抵抗されたことを逆恨みしての犯行ではないかと言われていた。

事件の経緯を聞く中で、自分は犯人の「宮前孝」なのではないかと疑う記憶を失った男。
だが、三枝によると孝は逃亡途中で崖から転落し、海に流され死亡したとのことだった。

そして、三枝が知り合いに頼んで送ってもらったFAXには、目の前の記憶のない2人の顔写真があった。
2人は、親と姉を殺された遺族、緒方裕司(24)、三好明恵(22)だった。

2人はこっそり別荘にやってきて、みんなを驚かせるつもりだったのだ。

三枝の提案で仙台に行き、極秘に本当の2人を知る人物、緒方の父親の元で長年番頭役をしている広瀬耕吉と会う。
広瀬によれば、記憶を失った2人、緒方裕司と三好明恵は婚約している関係だった。
だが、裕司が1人東京にいき、明恵もあとを追っていったらしい。

そして、2人の腕にあるレベル7を見て驚愕の事実を伝える。
幸山荘の建築工事にきていた作業員たちの腕にも同じような数字が書かれていた。
その作業員たちは、潟戸友愛病院からきていた患者だったと。

裕司は孝が生きている、誰かに匿われているとずっと調べていたらしい。

三好の家にいってみると、東京の高田馬場から手紙が届いていた。
裕司の東京での住まいだった。3人は仙台から東京へ戻ると高田馬場に向かう。

すぐに向かいたかった裕司だったが、三枝から少し休めと言われる。その夜三枝は1人で部屋を抜け出しどこかへ行っていた。

裕司は三枝に対して疑問を抱く。

1年で最も混雑する時期にどうして簡単に新幹線の席が取れたのか?
どうして三枝は迷うことなく、探し回ることもなく榊クリニックにたどり着くことができたのか?

高田馬場のアパートの郵便受けには不在連絡票が入っていた。
何か事件について調べた資料がないか探すが何も見つからない。
そこで三枝が不在連絡票に気がつく。

記憶を失う前の裕司は非常に用心深く、自分に何かあったあとに資料も消されないように、仙台郵便局の局留にしておき資料を資料を補完することにしていた。

郵便局で受け取った小包には、分厚いコピーの束とビデオテープが一本入っていた。そこには事件の真相が綴られていた。

裕司の手紙


事件の起こった去年のクリスマス・イブ。
裕司と明恵は家族をびっくりさせるためにこっそりと幸山荘へ向かった。

夜10時ごろ着いたが車もなくノックしても誰も出てこなかった。
(家族たちは揃って町の中心にある教会で行われていたミサを見に行っていた)

2人が外で待っていると、頭上から果物籠が降ってきた。
2階のベランダの床に四角い穴があいて、梯子まで降りてきていた。
非常用ハッチが開いていた。その梯子を登り、ベランダから窓の鍵が開いていたので部屋に入った。
その後戸締りをして2人も町へとでた。

両親たちとはすれ違いになったようで、午前零時ごろまた幸山荘に戻ってきた。
カーテンが閉じていたのでみんなが戻ってきていると思い、ドアを開けた。
鍵はかかっていなかった。

そして2人は死体を見つけた。

裕司の父親のそばのソファの背もたれに、台所から持ち出された包丁が1つ突き立てられていた。

110番しようと下が、電話線が切られていた。
その時この惨事が計画されたものだとわかった。

その後警察へ行き、山狩りをした結果、明け方7時30分ごろに「幸山荘」から一キロと離れていない断崖の下に宮前孝が浮かんでいるのを見つけた人たちがいた。

この人たちというのが、村下猛蔵が経営している不動産会社の社員だった。

死体を見たという目撃情報と、その日のうちに宮前孝の靴が発見されたことで死亡説が認められるようになった。

なぜ孝が犯人と断定されたか。
幸山荘の階下の部屋に孝の指紋がたくさん残っていた。

血液型が一致する短めの髪の毛も落ちていた(被害者の中にAB型はいない)
階上の部屋には指紋がなかったが、階段の手すりには着いていた。

孝の指紋は、潟戸友愛病院に入院していた時のものがファイリングされていた。

裕司は孝が生きていると考えたが、その理由が分からない。
村下猛蔵がそんなに孝を愛しているようには思えない。

ただ、自分の家族を守るためにはどんなことでもやりかねない、という実例があった。

「新日本ホテル」火災事件。

18年前、東京の麻布であったホテル火災。

宿泊客83人のうち41人が焼け死ぬという大惨事だった。
これは人災であったことが認められている。
新しいホテルでありながら、防火扉もスプリンクラーも消火器さえ十分に設置されていなかった。
非常口の扉も塞がれて荷物置き場になっていた。
所有者と経営責任者は実刑判決を受けたが、実は彼らはダミーで実質の経営者、コストをギリギリまで落として従業員をこき使う指示を出して儲けていたのは村下猛蔵だと言われている。

火災の出火原因は客室係が隠れてタバコを吸い、その不始末だと言われているが、実際は村下猛蔵の妻清子が長男の一樹を連れて泊まっていた部屋で、一樹が火遊びをしたことが原因だった。

こんな大惨事でも家族の罪を他人にお金で被せる村下猛蔵だが、孝を匿う理由にはならない。
調べてみると、孝の母親、俊江は猛蔵に殺された、という噂があったらしい。
この当時すでに今の夫人の寛子と付き合いがあった。
俊江と結婚して1年足らずだというのにも関わらず。

村下一族は潟戸の人々からは恐れられていたので、なかなかの話を聞くことは難しかったが、元患者たちからどれだけ酷い病院だったかを聞くことができた。

警察までも猛蔵に牛耳られている潟戸町だが、幸山荘のある別荘地の開発計画は、貴重な「反・竹下一族」の地主が東京の業者を呼び寄せて始めたものだった。
それに共感して両親は購入したのではないか。
人の悪口を滅多に言わない父親が、猛蔵に関しては「いい思い出は1つもない」と言っていた。

行き詰まっていたある日、源さんという人から電話がかかってきた。
彼は、潟戸友愛病院の元患者で、院内で榊達彦医師が宮前孝のカルテを出していたのを見たという。
他にも脱走してきた仲間がいるから孝を連れ出す手伝いになるかもしれないということだった。

そうして裕司と源さんたちは計画を実行した。


裕司から父親の部下であった耕吉に宛てた手紙にはこう綴られていた。

そしておそらく潟戸友愛病院い侵入して捕まり、記憶を消されたのだろう。

次のページへ

コメント

タイトルとURLをコピーしました