
おはようございます。
株が戻ってきました。
よかった…
春休みの残り、心穏やかに過ごせそうです。多分。
では、『R帝国』最終章!参ります!
片岡という男
サキのHPが片岡のHPをハッキング、片岡という男の正体を知る。
知っても栗原は片岡の元に向かった。
片岡の口から真相が聞きたかった。
片岡はLを裏切った。
Lの情報を” 党 ”に流した。
不治の病いに侵されていたが、” 党 ”が未承認の治療薬をくれるという。
片岡はR教の信者で、R教の指示で” 党 ”を支えるべく野党筆頭に居続けた。
若い頃には” L ”の第一世代、鈴木タミラと共に学生時代を過ごしたこともあった。
この鈴木タミラたちの活動を影で潰していたのが片岡だった。
父親だと思っていた片岡に裏切られた栗原をサキが迎えてくれる。
テロリスト
Lが構築したシステムで、” 党 ”の情報を国民に一斉に知らせた。
世論が変わる。
そう信じて栗原とサキは追手から逃げ続けていた。
人混みの中で急に栗原はサキへ「付き合ってください」と告白する。
内心栗原を思っていたサキは照れながらも受け入れる。
過酷な状況の中、ささやかな幸せを感じる2人の背後で「神が全てだ」と声がする。
振り向いた栗原の頭部に銃弾が当たる。
栗原の頭部は大部分が失われていた。
最後に栗原が見たのは、顔にタトゥーの入ったGY人の男が銃を構えている姿だった。
呆然とするサキだったが、気づけば複数の男が銃を乱射している状況から、逃げ遅れた通行人を助けていた。
再会
栗原を失ったことで何も考えられないままラブホテルの一室にたどり着く。
そこで部屋のテレビがハッキングされる。
3D映像として部屋の片隅に現れたのは、加賀だった。
” L ”が流した情報
- Y宗国の襲撃がR帝国に夜自作自演だった
- ” 党 ”の権力・利権争いのためにコーマ市が選ばれた
- R帝国の空軍機で大勢のコーマ市民が死んだ
- 特定の人種に効くウイルスを開発したこと
これらを流したにも関わらず、国民の反応はサキを絶望させるものだった。
「Yゴミ宗国はなんて卑劣なんだ。こんなデマを作るなんて」
「何このアルファとかいうGY人。病気の演技下手すぎ」
「どっからどう見てもCG。しかも出来が悪い」
加賀はいう。
「人々が欲しいのは、真実ではなく半径5メートルの幸福なのだ」
サキは全身の力が抜けたように崩れ落ちる。
加賀の話

国民は材料である。
この世界は「私のような存在」達によりバトンのように受け継がれている。
一部のエリートだけ残し、残りの国民達を無数のチンパンジーのように愚かにすること。
国民の大半を馬鹿にするために、文化全体のレベルを一見分からないように少しずつ下げていく。
馬鹿なもの達があげるネット上の大声に社会が萎縮することで、馬鹿によって社会が変わる構図はすでに出来ていた。
正体を隠しネット上で差別や悪口を書き込むことほどみっともないことはないが、そういったことを恥ずかしげもなくできるもの達がすでに大勢いる。
これから世界規模の大きな戦争が起きる。
この世界には、世界をゲーム盤としてしか見ていない連中が大勢いる。
戦争によって莫大な利益を得る賭けをしている。
サキは絶望しながらも、決して加賀には負けないと言い切る。
そんなサキに、お前はいつでも殺せるが、今は逃がしてやろうと微笑む加賀。
吉川という男
戦争が始まっていた。
R帝国の無人島を占領したC帝国にR帝国が宣戦布告した。
吉川は、” 党 ”と密接なつながりのある、小さな軍需工場の幹部として働いている。
吉川は、矢崎だった。
捕まって記憶を失う薬を飲まされたが、なぜか薬が効かなかった。
顔も変えられ、好きでもない女と結婚させられ、新しい人生を受け入れた。
洗脳された振りをしていた。
いつか革命を、抵抗を。
しかし、なぜか吉川にその力は湧かなかった。
不快な言動に歯向かい言い返す力が身体から失われていた。
少し目立つ個人に投与される特殊新薬の噂があった。
なぜか無気力になるらしい。
新しいHPの画面を見過ぎてもそうなることがあるらしい。
誰か。
誰か僕達を助けてくれ。
小言
終わり?!
これで終わるの?!
嫌だ!!!!
これが読み終えてのまず最初の感想でした。
衝撃ですね。
栗原が死んでしまったの。
そこ、サキと幸せになるんじゃないの?!
幸せが顔を出したところで呆気なく殺されていった栗原。
信じられませんでした。
これがテロリストだ。
いつまでも胸の奥に澱みのように沈む言葉でした。
ネットの頭おかしい人の話とか、国が国民を馬鹿にしているとか、もう今の話じゃないの?
これ日本の話だよね?と背筋が寒くなりました。
こんな国やだ。。
絶対にこんな国にはなってほしくないのに、なってしまいそうな想像も出来てしまう。
読んでて気持ちの良い場面は一瞬も出てきません。
それでも一握り、もはやひとつまみの希望を持って読み進めると、
最後の最後まで絶望に打ちのめされます。
つらいよおおおおおおおおおお!!!!
暗い過去を持つ栗原と矢崎が実は兄弟だったり、その事実を知らないまま2人とも悲惨な結末を迎えたり。
純粋な悪の権化みたいな加賀はそのまま権力の座に居座りゲームを楽しむという救いようのない最後に読んでも全然スッキリとはしませんが、満足感は高いです。
これを書ききる作者の力に脱帽です。
ぜひこの絶望を目の当たりにしてください。
最初から読み返す方はこちら↓
これで終わるの?!これぞディストピア。日本の未来…では絶対にあってほしくない。読みたくないのにどうしても読み進めてしまう『R帝国(中村文則)』(前編)あらすじ・ネタバレ有り
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