
おはようございます、あっという間に12月、冷えてきましたね~みかんです。
寒くなってきたあぁぁぁぁぁ!
本日は、自分の人生に迷ったとき、不安になったときに読みたくなる1冊をご紹介します。
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「お探し物は図書室まで」(青山美智子)ざっくりあらすじ
こちら、2021年の本屋大賞で2位取った作品です。
本屋さんってすごい。本当に面白い本を選出してくれます、あっという間に読めてしかもなんか心の奥がすっと軽くなる気がします。
それぞれ今の自分に悩む登場人物がたまたま訪れた区の施設の図書室で司書の小町さんに本をおすすめしてもらい、そこから光を見つける、という形式。
それぞれの話が完結していますが、少しずつ繋がっていくのも読んでいて気持ちがいいです。
小町さんは見た目も中身も強烈です。
私の中では勝手に銭天堂の紅子さんに変換されました。
読む人それぞれが想像した小町さん、見てみたいな~。
朋香 「ぐりとぐら」
21歳。婦人服販売員。エデンという総合スーパーで働いている。
田舎から上京し働くもかっこいいとも思えない仕事。一生これを続けていくのかと将来が不安になっている。
何のスキルも資格も持っていない。
転職するにしてもこんな自分が次に就ける職業はあるのか、と漠然とした不安に苛まれる。
羽鳥区の区民センターに併設する図書室で小町さんに出会う。
パソコンの勉強をしようと関連の本を探し小町さんにいくつかピックアップしてもらう。
最後の一冊が「ぐりとぐら」
今まで料理なんかまともにしてこなかったが、「ぐりとぐら」に出てくるカステラを作ろうと動き始める。
「卵で何が作れるかわかっていないと、思いつかない」
友人の沙耶が言っていた言葉に、何かを掴んだような気がする。
何ができるのか、何をやりたいのか、自分ではまだわからない。
だけどあせらなくていい。背伸びしなくてもいい。
今は生活を整えながら手に届くものから身につけていく。
森の奥でくりを拾うぐりとぐらのように。
とてつもなく大きな卵に、いつどこで出会うかわからないのだから。
諒 「英国王立園芸協会とたのしむ 植物の不思議」
35歳、家具メーカー経理部。
子供のころ出会ったアンティークショップの影響で、幾世代も誰かの手にあったであろう物に思いを馳せるのが好きだった浦瀬諒。いつか自分の店を持つことを夢に家具メーカーで働いている。
恋人の比奈は天真爛漫で、拾ったシーグラスでアクセサリーを作り最近はそれを売るためにネットショップを作り始めている。
比奈と一緒にいった区民センターで図書室の存在を知り、小町さんに起業に関する本を選んでもらう。
最後の1冊は「英国王立園芸協会とたのしむ 植物の不思議」
仕事で本来不要なストレスを抱え、なんてつまらない職場にいるのか。
定年までこんな納得できない環境で逸るような気持ちも持てずに続けていくのか。
小町さんから勧められた植物の本を読んでいると、地中の世界に関する項目があった。
人間は地上で生きているから大抵植物の花や実にしか目がいかない。
でも植物にとっては根のある地中も同じく必要。
人間はどちらがメインかを考えてしまいがちだが、植物はどちらもメイン。
そこでパラレルキャリアについての記事を思い出す。
小町さんからつながった縁を手繰り寄せたときから、きちんと自分で動き出していた。
夏美 「月のとびら(石井ゆかり)」
40歳、元雑誌編集者。
がむしゃらに働きヒット作を世に生み出し充実した日々を過ごしていた夏美は出産した。
復帰しても居場所は残っていると思い込み、育休中もネタを探すなどしていたが、
復帰した部署は元の花形部署ではなく、誰でも出来そうな部署だった。
自分がいた場所に新たに来た人物は、忙しそうで眩しく感じる。
大好きな仕事を思うように出来ないもどかしさ。
予定変更を余儀なくされる育児に「仕事が忙しい」という夫。
イヤイヤ期の娘に手を焼き何がしたいのかわからなくなっていた時、
娘のふーちゃんを連れて区民センターの図書室に初めて足を運ぶ。
小町さんに絵本をいくつかピックアップしてもらう。
最後の1冊は「月のとびら(石井ゆかり)」
それは占いの先生の本だった。
占いというよりは、月を身近に感じられるような語りの本だった。
「私ばっかり損をしている」
大切な子なのに。望んでいた子なのに。まるで双葉のせいで自分の人生がくるってしまったみたいな気持ちになるなんて……。ー「お探し物は図書室まで」青山美智子
『私たちは大きなことから小さなことまで「どんなに努力しても、思い通りにはできないこと」に囲まれて生きています』
仕事で出会った大切な人からの言葉、小町さんに勧められた本の言葉が現実の私にリンクしてくる。
それまでは「異動させられた」家事も育児も「やらされている」と思い込んでいた。
今私は何がしたいのか、どこに行きたいのか。
夏美が行動を起こし、現実が変わっていく。
浩弥 「ビジュアル 進化の記録 ダーウィンたちの見た世界」
30歳、ニート。
絵を描くことが好きでその道に進んだが芽が出ずニートとなった浩弥。
少しでも家から外に出そうという母の思惑で区民センターでの野菜販売に足を運ぶ。
そこに図書室があるのを知り小町さんと出会いおすすめされたのが「ビジュアル 進化の記録 ダーウィンたちの見た世界」
俺だって頑張って働こうとした。
色んな職種にもついたけどいつも怒られ1か月して体が動かなくなった。
理解力も、コミュニケーション能力も、体力も、どれもまるでない。
俺に出来る仕事なんて、この世にはないのかもしれない。
完璧な兄の存在も自分の居場所のなさに拍車をかける。
今まで自分は絵の才能はない、普通に就職なんてできるはずないと思っていた。
そのことがどれだけの可能性を狭めてきたのか。
ダーウィンもウォレスも進化論を自分を信じて学び続けて発表し続けて
自分を取り巻く環境を変えた。
浩弥はコミュニティハウスの掃除の仕事も小さなきっかけから始めた。
絵も、再び描き始めた。
正雄 「げんげと蛙」
65歳、定年退職。
特に大きな功績もないが真面目に働き続けた42年間。
さて、明日からは何をしたらいいのか。
仕事しかしてこなかったせいで、仕事をが無くなると何をしていいかわからなくなった正雄。
禄に出来なかった育児は、気づけば自分に時間が出来たときには子供はとっくに自立していた。
定年してから分かったことが3つ。
1つ目は、65歳というのは思っていたよりもずっと若いということ
2つ目は、恐ろしいほど趣味がないと言うこと。
3つ目は、会社員でなくなった自分はもう社会から認識されていないということ。
妻の依子は9つ下で区民センターでパソコンのインストラクターをしている。
依子の勧めで区民センターの囲碁クラブに行き、そのついでに図書室により小町さんに出会う。
囲碁関連の本を選んでもらい、最後の1冊は「げんげと蛙」草野心平の詩集だった。
書店員の娘との会話がこの「げんげと蛙」から弾み始める。
会社を辞めた途端社会から無用の存在になってしまったという正雄に対し、マンションの管理人である海老川はいう。
何かに属するというのは曖昧なもの。仕切りを外せば当事者になるのに、透明な板を挟んだだけでその向こうのことは自分とは関係ないような気持ちになる。
人と人が関わるならそれは全て社会。接点を持つことによって起こる何かが過去でも未来でも。
自分が勤めた会社のハニードームというお菓子を、「俺が作ったんじゃないから」という正雄に対し、娘で書店員の千恵は「作る人がいるだけじゃだめ。伝えて手渡す人がいなきゃ。1冊の本が読者の元に届くまでの流れの一部に自分もいるということに誇りを持っている」という。
正雄は家族の間にも社会があることを理解した。
前へ前へだけではなく、ワイドビューで目に映る日々を楽しんでいきたい。
小言
もうどの人物の気持ちも分かる。
全員が全員私の気持ちを代弁してくれているかのよう。
特にワーママの夏美はもう、世のワーママが同じ気持ちを感じたことがあるのでは。
思い描いた通りにはならない人生だけど、どうしていいか分からないときに会いに行きたくなる小町さん。
私の住んでいる町にもいたらいいのに、と切望します。
会いたいよ、小町さん。。
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