
こんにちは、幼稚園最後の運動会、誰とも喋らずに終わりましたママ友いないみかんです。
ママ友はなぜ疲れるのか。私のママ友事情。ママ友が出来ない理由とは?
公園のママ友グループが苦手。ママ友がいない…不安になった時にすること。
ママ友はいらないけど、歴史好きな友達が欲しいよう。
本日は、先日ご紹介した歴史オタクを産みまくっているであろう『塞王の楯』と同じく胸が熱くなる歴史小説をご紹介します。
『塞王の楯』あらすじ紹介ネタバレ有り。無事オタクが誕生しました
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『黒牢城』ざっくりあらすじネタバレなし
織田信長が権勢を誇る時代。
摂津国有岡城を守る荒木村重の元を小寺官兵衛(黒田官兵衛)が訪れる。
官兵衛の来訪目的は織田信長に謀反を起こした村重を説得すること。
村重は織田信長に背き有岡城に籠城を決めた。
織田と敵対する本願寺、毛利勢と結託しての籠城であった。
籠城しても勝てると見込んでの戦であったが、籠城している村重を数々の奇怪な出来事が襲う。
徐々に城内を覆う不穏な空気。
村重は徐々に追い詰められていく。
忘れたくないのでネタバレを書きますが、まだ未読の人は絶対に読まない方がいいです!
自分で読んで!面白いから!!
『黒牢城』ざっくりあらすじネタバレあり
序章 因
天正6年11月。
毛利と組んだ摂津国大坂の本願寺と、武田上杉を退けた破竹の勢いの織田のどちらが勝つのかそんな時分。
摂津国有岡城を小寺官兵衛が訪れる。
有岡城城主荒木村重を説得するためであった。
村重は織田家に謀反した。毛利・本願寺と手を組んで籠城した。
使者は帰すのが定法、帰せないなら斬るのが武門の定めにも関わらず村重は官兵衛を殺さず牢に閉じ込める。
官兵衛は普段の評判に似ず、見苦しいまでに死に物狂いでもがき続ける。
官兵衛は摂津国有岡城に囚われた。
第一章 雪夜灯篭
11月。
有岡城から東に五里、茨木城を守っていた猛将中川瀬兵衛が織田の軍勢が迫るや城を織田に明け渡して自身も降参したという。
中川に先立って高山右近が守る高槻城が開城していた。
12月。
大和田城が降る。
大和田城を守る安部兄弟は熱心な一向門徒で荒木家が織田から本願寺に乗り換えると聞いた時には兄弟そろって涙を流した。
その安部兄弟が戦いもせず織田に降ったのだが、降伏を決めたのは安部兄弟の息子二右衛門であったという。
この安部二右衛門の一子自念は人質として有岡城にいた。
この時代人質は磔、斬首、自害等様々あるが、寝返りものの人質を殺すのは乱世の習いであった。
しかし村重は自念を殺さず牢に入れるという。
居並ぶ将が自念の成敗を求める中、村重は有無を言わせなかった。
自念を捕らえる牢が出来るまで屋敷に置くことした。
自念は村重に極楽に参りたい、存分に成敗してくれと頼むが村重は許可しない。
しかし安部自念、殺害される。
自念が閉じ込められていた納戸は屋敷の奥にあり、精兵である御前衆に警固をさせていた。
寝ずの番をさせていたにも関わらず自念は死んだ。
自念の身体には深い矢傷があったが矢は残っていない。納戸の前は灯篭が一つあるだけの広い庭で降り積もった雪には一つの足跡もない。
警固していたのは、御前衆の組頭郡十右衛門、秋岡四郎介、伊丹一郎左衛門、乾助三郎、森可兵衛。
荒木御前衆の五本鑓である。
どのように自念は殺されたのか検分を進める荒木だが、行き詰まりついに土牢の小寺官兵衛に話を聞くことに。そこで官兵衛の言葉を聞いて真相を明らかにする。
自念殺しのポイント
・廊下も外も警固されており、何度には誰も近づくことが出来なかった。
・自念は矢傷で死んだが矢は見つからなかった。
この二点のために、将兵も伊丹の町衆も自念の死は神仏の罰であると噂した。
真相
三間鑓という足軽が用いる長鑓を二つ結んでつなげ、庭に一つぽつねんとある灯篭の火袋に通ししなりを抑え狙いを定めた。
犯人は森可兵衛であった。
理由は殿のため。寝返り者の子は敵、仏法の敵、殿の敵。殺さなければならない。
村重は森可兵衛を殺さなかった。
信長ならば殺すであろうから。村重は信長と逆のことをすると決めていたのだった。
第二章 花影手柄
有岡城の東には沼が広がり敵から攻撃されにくくなっているが、葦が生い茂る沼地の中に柵木で囲われた陣がいつのまにか出来ていた。
籠城が続く中城内の不穏な空気を消すため、手柄が必要であろう本願寺から預かっている雑賀衆と、息子の高山右近が裏切って織田に降った高山大慮率いる高槻衆、そして村重率いる御前衆で夜討ちをかけることに。
狙いは東に布かれた陣で、大将は大津伝十郎長昌。
無事に夜討ちは勝ちに終わるが、伊丹一郎左衛門が敵の刃に倒れる。
首実験のため、死化粧を施すため女房衆に渡され整えられたあと、誰の首かを改める。
高槻衆、雑賀衆とも若者の首が一つ、年寄りの者が一つであった。もう一つ、村重が矢で射た若者の首もある。
ここで問題が一つ。敵の大将大津伝十郎の顔を知っているものが誰もいないのである。
どちらが第一功になるのか決められない。
その間、首実験の時はいたって穏やかな表情だった高山大慮が挙げた首が大凶相になり果てたという噂が立つ。
これは御仏の道を軽んじる南蛮宗の高山に討たれた武士が成仏できないから、御仏の罰であるという噂であった。
村重は再度小寺官兵衛の元へと赴く。
官兵衛の話から糸口を見つけ、村重は大津伝十郎の首は雑賀衆でも高槻衆でもなく、村重自身が足軽だと思って射た男のものだったと結論づけた。
第三章 遠来念仏
宇喜多が寝返り織田についた。備前美作が織田についたので毛利勢が陸路を駆けつけることは不可能になった。
村重は無辺という年のころ五十ばかりの廻国の僧を使僧として用いていた。
諸国を廻る無辺に書状を預け届けてもらうなどしている。
そこで村重は内密に明智光秀に届くように降伏の旨を記した書状と、村重が数多もつ名物の中でも広く世に知られた茶壷である〈寅申〉を持たせた。
茶を愛する村重ゆえ、〈寅申〉が自分の元から失われたのは心が割かれるような思いだった。
無辺が無事に有岡城を出られるよう町家の南外れに老いた出家が閉居している庵を紹介し、そこを御前衆に守らせた。
同じ頃、城内に不届き者が現れる。
栗山善助、小寺官兵衛を助けにきたのだった。
官兵衛は死を覚悟して有岡城に参ったにも関わらず、なぜ殺さず捕らえたままなのか。
そのせいで織田から疑われ官兵衛の一人息子である人質だった松壽丸は斬られたという。
村重は栗山を殺めなかった。
無辺が討たれた。
正面を守っていた秋岡四郎介も腿を切られ、喉を突かれて落命。
村重が無辺に預けていた名物〈寅申〉の入った行李も見当たらない。
村重が明智光秀に向けた密書は封が解かれていたが残っていた。
刀の使いである秋岡四郎介の刀はさやに納まったまま、それほど腕が立つ人間が犯人の可能性。
村重は関係者一人ひとりを聴取、現場を検分する。
それでも犯人は見えてこない。
村重は三度官兵衛の元を訪れる。
官兵衛の働きで村重はまたしても真実の糸口を見つける。
無辺、秋岡四郎介を殺害したのは将の一人、能登入道であった。
曲者は菅傘をかぶり、行李を背負い、錫杖をもって四郎介の前に現れた。
無辺はいつも傘を目深にかぶっていたためその顔を知る者は少ない。
仏暁の暗さで相手が無辺の持ち物を身に着けていればそれを無辺を思い込むのは必定。
四郎介の油断を誘って斬った。
まず無辺が斬られ、曲者は客間から持ち出した行李で無辺に化けて秋岡を殺した。
なぜ庵の世話役寺男が無辺を疑わなかったのか。
それは能登入道が剃髪した僧形だからである。
能登入道は仏道に心を寄せてはおらず、経も唱えないが、見た目だけは僧であった。
なぜ能登入道が無辺に会いに行ったのか。
織田に通じているためであった。
大勢の人間の前ですべてを明らかにされ動転した能登入道が村重の密書のことを暴露しようとしたとき、突如稲光が光り、能登入道は黒焦げになっていた。
第四章 落日孤影
長引く籠城、来ない毛利に有岡城内の雰囲気は暗雲立ち込めていた。
内から崩れていく城を今まで見たことがある村重は焦っていた。
謀反人をあぶり出せばまだ将たちは自分についてくる。
そう思った村重は、雷に打たれて死んだ能登入道の傍らに撃ち込まれていた鉛玉を誰が撃ったのかを調べ始める。
将たちを信じられなくなったきた村重が唯一同じ目線で話せるのが土牢に囚われ見た目が変わり果てた小寺官兵衛であった。
冬の人質殺害、春の手柄争い、夏の鉄砲事件の3つは、御仏の罰であるという風聞が流れたその一点で結び付けられる。
何がそうさせたのか。
すべては村重の妻、千代保が仕組んだことだった。
千代保は民に罰はあるのだと信じさせたかったためだったという。
彼女は、織田に壊滅させられた伊勢長島を経験していた。
進めば極楽退かば地獄と追い立てられ死んでいった大勢の人間を目の当たりにした千代保が再度有岡城の籠城の渦中にあったとき、
この伊丹の民を長島のようには死なせない、進んでも進まなくても極楽はある、御仏はそばにいると伝え続けてきたのだという。
そのために罰が必要だった。
罰が下るということは御仏が見ているということになるから。
謀反人がいないことになってしまった村重は戸惑う。
今まで勝つことで家中をまとめてきた村重。籠城することでその推進力を失いつつあった。
毛利がこない今、勝ちを得るには一つしかないと官兵衛は言う。
それは、村重が有岡城を出て直接毛利に援軍を頼みに行くというものだった。
あまりにも常識外れで村重も考えつかなかった。
しかし聞けば戦も出来ず終わりのない籠城をやむなくされ家中との関係も悪化の一途をたどる村重にとっては甘い誘惑であった。
しかしそれは、官兵衛が土牢の中から仕掛けた村重必殺の最後の一手であった。
有岡城を訪れたときには死を覚悟していた官兵衛にも関わらず、捕らえられることで官兵衛の光であった松壽丸を失う結果になった。
村重が自分を殺していれば。
その思いから村重がぶつかった謎を解くヒントを与え、有岡城の籠城を先延ばしにし内側から壊れかけた行きつく先の村重有岡城から一人奔放させその名を貶めようとしていたのだった。
天正7年。
荒木村重、有岡城を抜け出る。
官兵衛ーーーーーー!!!!!!!
土牢の中から有岡城を操っていたと言っても過言ではない!
謎を解くことで有岡城の開城を先延ばしにし織田が絶対に許さなくなるまで待ったなんてなんて頭脳!!痺れるーーーー!!!
そんな目的があったなんてさっぱり見当もついていませんでした。
村重といいコンビとかならないのかな、なんて甘いこと思っていました。
強すぎる憎悪。
ちょっと謎解きパターン飽きてきたな、、と思ったところでぶちかまされる官兵衛の告白に「ひゃあああああ!」と思わず声が漏れます。面白すぎ。
終章 果
村重が有岡城を抜け出て以降の様子が淡々と描かれる。
ここはほぼ歴史。
お前がか!!ということもあります。
ここも私は全く知らなかったから面白かったー。
黒田官兵衛のその後もあります。
歴史を知らない私はここで「げあおふぉいうふぉhdpfほsh!!!!」となる始末。
そうだったの?!歴史すげえ!!!
竹中半兵衛ーーーーー!!!!
あんまり知らないけど調べてみるよ!この辺面白すぎて他にも本読みたい!
小言
面白い!!!!なんでしょう、歴史小説なのにトリックが気になるミステリー小説。
こんな小説初めてです。
教科書で出てくるような武将は知っていますが、本作品の主人公荒木村重は恥ずかしながら存じませんでした。
有岡城の戦いも知らず。こんな激熱の戦いがあったんかい!こういうこと知っていると歴史の授業もっと楽しかっただろうな~。
読みながらwikipediaを見たい気持ちを抑えるのが大変でした。
でも知らない人は絶対に最後まで調べない方がよりこの本を楽しめます。
本当最後の最後まで面白い!!
絶対に大丈夫と思われる村重の元、徐々に城の中が不穏な空気に包まれていくのがぞわっとしました。
そういう書き方うますぎる!!
毎回思うのですが、歴史小説をこんなに面白く書ける小説家さん本当にすごい。
タイムトラベルして実際に見てるんじゃないか、と思わずにはいられません。
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